コラム

【大規模エンタメをサポート】JLOX補助金ビジネスモデル枠

2023.09.13[事業支援]

※JLOX補助金一般枠の要件や申請については
 
こちらのコラムでご紹介しています。
※JLOX補助金映画制作サポートについては
 こちらのコラムで
ご紹介しています。
 ⇒
【映画制作向け①】JLOX補助金映画制作サポート
 ⇒
【映画制作向け②】JLOX補助金映画ロケ誘致サポート
※JLOX補助金ブランデッドコンテンツサポートについては
 
こちらのコラム
ご紹介しています。
※映像コンテンツシステムサポートについては、
 
こちらのコラムでご紹介しています。




【進化するJLOX!ビジネスモデル枠発表】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
今年3月より
ライブエンタメイベントをサポートすべく
誕生した、JLOX補助金
先週の9月8日をもって公募が締め切られた
一般枠(コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業枠)
と入れ替わるように
今回発表されたのが、

ビジネスモデル枠
(コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業費
 (映像制作等支援)枠)


です。

この申請枠の第1弾としてリリースされたのが
ライブエンタメをサポートする
一般枠のグレードアップ版です。

大規模イベントの開催を企画していたが
厳しい採択率や申請タイミングなどを
考慮された結果、
一般枠の申請を見送られた法人


の皆さまに、

是非おすすめしたい申請枠となります。

制度ロゴや事務局が一新され、
要件や申請ルールは一般枠と共通しながらも
少し異なる制度目的に沿って、
異なる部分もあります。
この枠の要件や注意点を
くわしく解説していきたいと思います。



【JLOX補助金ビジネスモデル枠とは】

JLOX補助金ビジネスモデル枠とは、

国内を問わず
より洗練されたライブエンタメなどの
ビジネスモデルの発掘につながる
さらなる応用的な取り組み
への期待度が高い事業を中心的にサポートする
ライブエンタメ産業の
先進的ビジネスモデルへの転換支援支援事業
です。

新たな形のエンタメ取り組みや
コンテンツ産業の活動を下支えする
一般枠
に対して
ビジネス申請枠は
さらに洗練されたビジネスモデル
や応用的&高度な取り組みを評価
する
と、
その制度目的の違いを
明確に打ち出しています。

<ビジネスモデル枠公募要項:補助イメージ>


ちなみに
この申請枠における事務局は
映像産業振興機構(VIPO)
が正式に就任したことが発表されました。
このことから、今後は、
一般枠では十分にサポートしきれなかった
映画製作においても強力な追い風
となりそうです。
※一般枠の事務局は、
 株式会社読売新聞社が就任しています。
 申請枠によって問い合わせ先が異なります
 ので、注意しましょう。


そんな動きを裏付けるように、
今回ご紹介するサポートプログラムとは別に、

映画製作
海外向けローカライゼーション&プロモーション

のサポートプログラムが公表されています。
※JLOX補助金映画制作サポートについては
 こちらのコラムで
ご紹介しています。
 ⇒
【映画制作向け①】JLOX補助金映画制作サポート
 ⇒
【映画制作向け②】JLOX補助金映画ロケ誘致サポート





【ビジネスモデル枠のグランドルール】

ビジネスモデル枠のグランドルールは
一般枠と比べて
共通するものとそうでないものがあります。
その違いを次のとおり比べてみました。
違いについて、詳しくみていきましょう。



1⃣申請対象者
ビジネスモデル枠の対象申請者は、
一般枠と同じく、原則、
イベントを主催する国内で設立された法人
で、
イベントをスムーズに実施するために
必要な組織体制、十分な資金を備えている
ことが求められます。
※組織体制を証明するために、
 ビジネスモデル枠の提出書類に
 組織体制図(形式事由)
 がリストアップされています。


また、
イベントを主催するというのは、
補助経費を自社負担し、
イベント開催にともなうリスクと責任を負う
ことを指します。


※JLOX補助金で定義される
 法人の定義については
 
こちらのコラムでご紹介しています。

製作委員会共同団体など
申請主体がひとつではなく
複数団体の主催や出資とする場合は、
申請合意書の提出によって認められますが、
申請主体は1社に絞り込む必要がある
ことに、注意しましょう。

※虚偽申請が判明した場合は、
 交付決定取り消しや、
 5年以下の懲役
 もしくは
 100万円以下の罰金刑
 が科せられます。


2⃣対象ジャンル
ビジネスモデル枠の対象ジャンルも
一般枠と同様、
文化芸術基本法第8条から第11条
に定義されるエンタメジャンルとなります。
※JLOX補助金の対象ジャンルについては
 
こちらのコラムでご紹介しています。

3⃣補助金額と補助率
ビジネスモデル枠に採択された申請者は、

補助対象経費の50%
申請イベント数にかかわらず
MAX1億円まで


補助を受けられます。

一般枠との違いとしては、
MAX補助金額が
1イベントあたりに区切られることなく
トータルで1億円まで

となっていることが挙げられ、
補助金の下限はありませんが、
後ほど説明する
経費要件が補助経費に多いに関係する
であろう点に、注意が必要です。

<ビジネスモデル枠公募要項:補助率>


4⃣補助対象事業
ビジネスモデル枠の対象事業も
一般枠と同様、
2⃣の対象ジャンルに該当する、
日本発のコンテンツに関するイベント
ですが、
この要件を満たすのであれば、
国内開催でも海外開催でもOKです。
一般枠は国内開催イベント限定でしたので、
大規模イベントの開催条件が広がりますね。

①日本発のイベント
日本発とは
次の要件を満たすイベントを指します。


※「日本発」の考え方については、
 
こちらのコラムで詳しく解説しています。

②デジタルコンテンツや販促施策の導入
こちらも一般枠と同様、
イベントを申請するためには
ひとつ以上のデジタルコンテンツ
を導入し、
さらに採択されるためには、
高度なコンテンツや販促施策を
さまざま組み合わせて導入する

ことが必要です。

<ビジネスモデル枠公募要項:デジタル技術を活動した取り組み効果>

※導入すべきデジタルコンテンツや
 販促化のための取り組みにおいては、
 一般枠で紹介されているものを
 参考にすることができます。
 
こちらのコラム<補助イベント>Q&A
 で詳しくご紹介しています。


ビジネスモデル枠において
注意したい点としては
コンテンツや施策を
ポイントを獲得するように
導入、実施するのではなく
複数の取り組みを効果的に組み合わせて
経済価値の創出や顧客体験価値向上につながる
と評価されなければならない
ことです。
この点は
外部審査委員会によって「総合的に判断される」
とのメッセージが出ていますので
客観的に相乗効果のある取り組みを
アピールしなければならないでしょう。

ちなみに、日本発イベントを
大切にしていることから、
伝統芸能、芸能分野においては
これらにあげられるような
コンテンツ制限はありません。

③計画上黒字見込み
申請イベントは、
収支計画上黒字であることが必要です。
さらにビジネスモデル枠においては、
この黒字の収支計画を、
支出額に対して120%以上の収入見込み額
を数字として証明する

ことが求められます。
※この収支に、
 採択で得られる補助金は計上できません。


④一定額以上の補助対象経費
ビジネスモデル枠に申請するイベント
にかかる
経費額は1億円オーバー
であることが求められます。
このことから、
比較的大規模のライブやフェス
がこの申請枠にマッチする
と考えます。
※ただし、
 補助対象経費が 5,000万円オーバーの場合
 外部審査委員会の判断によっては
 認められる可能性があります。

⇒当事務所にご相談ください。

⑤具体性のある事業内容
ビジネスモデル枠での申請においては、
イベントの概要はもちろん、
その経緯や見込み、
今後の事業戦略やマーケット波及可能性
業界への貢献度
など、
事業内容を具体的に説明できることが必要

となります。

<ビジネスモデル枠公募要項:審査基準>


⑥ライブエンタメ
今回公表された制度プログラムは、
一般枠と同様、
実演をともなうイベント
であることが求められます。
ただし、
メディア芸術は実演をともなう必要はありません。


<ビジネスモデル枠公募要項:イベントの実演性>



6⃣補助対象経費
JLOX補助金の補助対象経費は
一般枠と同様、
イベントの実施関連費用
となります。


採択決定前に発生する経費についても
 一定条件で補助OKとなる場合があります。
 (要手続き)

 ⇒当事務所にご相談ください。
子会社や関係会社からの調達経費
 については、
 一定条件を満たす必要があります。

 ⇒当事務所にご相談ください。

消費税については、
消費税額控除特例が適用事業者のみ
補助が認められます。


ビジネスモデル枠においては、
概算払い制度がない
行政書士や税理士、公認会計士などに依頼する
サポート報酬は補助対象とならない

ことに、注意しましょう。

<ビジネスモデル枠公募要項:補助対象外経費>

7⃣対象イベント期間
ビジネスモデル枠の申請対象イベントは、

2023年8月31日から10月31日まで

に開催されるライブイベントとなります。

また、
申請できるイベントは
採択前に開催のものにかぎられます。
つまり、
採択後のイベント開催でなければ
補助金を受け取ることはできません。





【JLOX補助金の申請フロー】

JLOX補助金ビジネスモデル枠の申請は
一般枠と同様、
オンライン申請によっておこないます。
申請件数は、各要件を満たす前提であれば、
制限はありません。
※同一会場・同一演目のイベント
 または
 複数会場・同一演目のイベントは
 1件として申請OKです。


申請システムは、
一般枠のものではなく、
初回公募は応募ページまたはjGrants
第2回公募以降はjGrants

を使用する
ことに、注意しましょう。
※jGrants申請においては、
 事前に
gBizIDプライムアカウントの取得
 が必要です。


申請時には、一般枠と同様、
事前に事業者登録をおこないます。

申請受付期間は3つに分かれています。
一般枠のような、
イベント実施期間による募集回分け
はおこなわれません
が、
事業完了日は来年1月末となるので
採択決定事業者にとっては
タイトなスケジュール
となるでしょう。

<ビジネスモデル枠公募要項:補助金スケジュール>


申請イベントは、
外部審査委員会によって
およそ2週間ほどの審査期間をもって、
イベントと取り組み内容が総合的に審査
されます。
つまり、
一般枠のような
ポイント採点方式とは異なり

イベント事業の中身がより重視される

ことは間違いありません。

無事に採択された申請イベントは、
2024年1月31日までに、
実績報告をあげなければなりません。

実績報告されたイベントは
外部審査委員会による確定検査を経て、
最終的な補助金額が確定します。
※確定検査を終えた補助金は
 遅くとも2024年3月29日までに
 指定口座に入金されます。


<ビジネスモデル枠公募要項:JLOX補助金のながれ>



確定検査において
イベント収入が
総経費対比99%以下となった場合は
補助金が50%減額となります。

※国外開催イベントはこの措置はとられません。




【採択への必要要素は?】

ビジネスモデル枠に確保されている
国の予算は、50億円となっています。

原則1億円以上かかる経費に対して
20%以上の売上実績をあげることのできる
イベントが採択基準
となりますので、
仮に、
採択されるイベントの
採択決定額が5,000~6,000万円
と想定してみると、

想定採択件数はMAX100件
=平均30~40件/募集回

(別の2種プログラム採択件数も影響)

と推測することができるでしょう。

申請イベントが採択件数に入るためには、

大規模ライブ(実演)エンタメ
数値化された黒字計画
導入するデジタルコンテンツ
販促施策と事業貢献度
イベントの企画力


といった採択ポイントをもって
審査でアピールできるか
が重要となります。
※これを証明するために、
 ビジネスモデル枠の提出書類に
 企画書(形式事由)
 がリストアップされています。


一般枠とは違い、
導入する取り組み内容に合わせて
ポイントを意識する必要がない分
総合的な審査に応え得る堅い企画
と収支+取り組みバランス

が求められるでしょう。




【すでに募集スタート!ご活用ください】

JLOX補助金ビジネスモデル枠の
初回公募申請受付は、
すでに8月末からスタートしています。
構想のライブイベントが
申請要件を満たしているか
をチェックされつつ、
限られた各募集回に申請ができるよう
入念な準備は欠かせないでしょう。

WINDS行政書士事務所は、
JLOX補助金一般枠の
採択実績とノウハウをもって
エンタメ業界の事業展開や資金繰りを
サポートさせていただきます。
どうぞお早めにご相談ください。