コラム

【JLOX補助金】質問におこたえします(要件編)

2023.04.05[事業支援]


※JLOX補助金グランドルールについては、
 
以前のコラムでご紹介しています。
 ⇒
こちら


※申請に関しては、
 こちらのコラムで
 Q&A形式でご案内しています。
 ⇒
こちら



【見逃さない!JLOX補助金の各要件】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
取組イベントの構想によっては
MAX1億円補助も見込める、
エンターテイメント業界の強力サポート制度、
JLOX補助金。

前回のコラムで、
グランドルールをご紹介してから
およそひと月経ち、
多数のご相談、ご依頼をいただいております。
JLOX補助金のグランドルールは、
公表された3月10日から
改訂が繰り返されており、
今後もルールが変わる可能性が高い
と考えます。

当社は補助対象?
このイベントは申請要件を満たしてる?

当事務所にお寄せいただいている
こうした疑問に、
補助金サポートのプロである行政書士として
最新情報をもって
Q&A方式でお答えしたいと思います。




【(随時更新!)JLOX補助金Q&A<要件編>】

<補助対象者>
Q1.JLOX補助金ってAFF3なの?
A1.AFFとは完全に異なる補助金です。
AFF(ARTS for the future)
コロナ禍のエンタメ業界の救済を目的
とした、文化庁の補助金でしたが、

昨年終了しました。
(AFF3は存在しません)

JLOX補助金は、
デジタル技術を導入し、
海外進出も可能と応用できるイベントを
サポートするもので、
経済産業省が主管しています。

補助金のための
予算や補助金額、要件
採択にいたるまでの審査方法も
AFFとはまったく違う
ものになります。

Q2.一般社団法人でも補助してもらえる?
A2.申請OKです。
JLOX補助金で申請が認められる者は、
日本の法令に基づいて設立された法人
となり、
一般社団法人もこの法人に該当します。
ただし、
法人と名が付いていても、
法人格がないなどの理由で
JLOX補助金で認められない
法人も存在します

ので、注意したいところです。
※補助対象・対象外の法人については、
 
以前のコラム1⃣申請対象者
 で詳しく説明しています。
 ⇒こちら


Q3.海外現地法人は補助対象なの?
A3.申請が認められる場合があります。
海外の現地法人であっても、
日本の法人登記が完了しており
登記簿を提出することができれば
補助対象者として申請OKとなります。

Q4.人格なき社団でも補助してもらえる?
A4.補助対象外です。
人格なき社団は法人格がないため
残念ながら申請は認められません。

Q5.AFFみたいに、任意団体も補助対象?
A5.補助対象外となります。
任意団体は法人格を持たない団体
であるため、
残念ながら補助対象外となります。

Q6.共同出資や共同主催の形で
    補助してもらえないの?

A6.補助対象者になり得ます。
開催イベントにおいて
複数の法人が共同出資する場合は、
そのイベントにおける出資者全員で
合意したことを証明する
申請合意書を申請時に提出することで
申請可能となり、補助対象となり得ます。

この申請合意書の作成によって
申請主体となる法人が決定
することとなります。

JLOX補助金への申請以前にも、
費用の負担や利益の配分の割合など
事前の合意事項を定めておく

ことも非常に大切です。
※いわゆる実行委員会
 このケースに該当します。


Q7.過去のイベント実績がないとダメ?
A7.実績ゼロでもOKです。
JLOX補助金の補助申請者の要件には
過去の実績は必須とはされていません
ので、
公演などの実施実績がなくても
申請イベントの企画次第では
十分補助対象になり得ます。


ただし、申請イベントが
申請時に審査されるうえで

当該公演が、
過去に5回以上行われているイベントか
(ただし、イベントの名称が
 概ね同一とみなせるものが条件)


という項目が加点基準となっていますので、

過去に同一or類似イベントが
5回以上ある場合は、より採択に近づく


と考えてよいでしょう。
※審査方法については、
 
こちらのコラム<申請>Q9.
 でご案内しています。


過去の実績は必須とはされていません
ので、
公演などの実施実績がなくても
申請イベントの企画次第では
十分補助対象になり得ます。


Q8.去年設立したばかりで
   課税対象となる見込みがない。
   財務諸表や税務申告書はどうしたらいいの?

A8.財務諸表は現時点のものを提出しましょう。
JLOX補助金で免税事業者が事業者登録するためには、
2期分の財務諸表(貸借対照表&損益計算書)
免税事業者である旨の税務申告書

が必要となりますが、
設立間もなく、2期に満たない法人の場合は
申請時期直近時点での財務諸表
または残高試算表
を提出しましょう。
また、
課税事業者から免税事業者に変更した場合は
その旨税務署へ提出した届出書を提出しますが、
見込み所得などの理由から
課税対象の予定がない場合は
税務申告書の提出は不要
です。



<補助ジャンル>
Q1.どんなジャンルのイベントが補助対象?
A1.文化芸術基本法に定められるジャンルです。

JLOX補助金の補助対象事業は、
文化芸術基本法第8条から第11条
に定める文化芸術ジャンルとなります。
※対象ジャンルについては、
 こちらのコラム2⃣対象ジャンル
 で詳しくご紹介しています。


Q2.メディア芸術って具体的にどんなもの?
A2.映画、漫画、アニメーション、
   コンピュータその他の電子機器
     などを利用した芸術を指します。

メディア芸術とはたとえば、
以下のようなものが該当します。 
※e-SPORTSもメディア芸術に該当します。





<補助イベント>
Q1.「日本発」というコンテンツ要件に
      絶対該当しないと補助してもらえないの?

A1. コンテンツ要件を満たすイベント
    を申請しましょう。

JLOX補助金での補助対象イベントは
「日本発」のコンテンツに関するイベント
でなければならない
という要件があります。



補助対象イベントは
これら3つの要件のうち、

または
②+③
のどちらかを満たす

ことが求められます。
どちらの要件も満たさないイベントは
補助対象外となります

ので、イベントの企画を確認のうえ、
申請を検討されるとよいでしょう。

ただし、例外として、
すでに日本発のものと認められる
伝統芸能や芸能分野のコンテンツは
『日本発』の要件クリアは不要です。

※『日本発』の要件については、
 
こちらのコラム4⃣補助対象事業
 でご紹介しています。


Q2.日本国民が著作権を持っていれば
    申請イベントにその著作権者が
    関わってなくても補助要件クリア?

A2.補助要件を満たすと考えます。
コンテンツ要件①『日本発』
に関わるご質問ですが、たとえば、
イベントを構成する
楽曲や演出、セットリスト
などに日本国民が関わっている
歌唱や演奏の楽曲の著作権を
日本国民が持っている

というイベントであれば、
イベントスタッフとして関与しなくても
問題ありません。


Q3.導入すべきコンテンツの取り組みは
   2種類どっちも入れないといけないの?

A3.どちらか一方でも大丈夫です。

JLOX補助金の制度目的にもつながる
取り組みは

デジタルコンテンツ
(=コンテンツ自体がデジタル化している)
または
コンテンツの
展開・配信・収益化に役立つ技術


と、2つ定義されています。

導入する取り組みは
このうちひとつ以上必要
ですが、
どちらの種類も加える必要はなく、
どちらでも大丈夫です。

ただし、
デジタルコンテンツは必ず取り入れる
必要がありますので、
どんなに少なくとも双方ひとつずつ
あった方がベター

と考えます。

Q4.導入すべきデジタル技術って
     どんなもの?

A4.JLOX制度目的に役立つ
     デジタル技術です。

JLOX補助金で導入すべきデジタル技術とは
Q3.で回答した
2種類に定義されるコンテンツ
であり、
このどちらかに該当する技術を導入
していることが必要です。
経済産業省がピックアップしている
デジタル技術の名称と内容を
リストにしてみましたので、ご参考ください。

なお、
導入するデジタル技術のレベルは
審査に影響することはありません。

※各取り組みのごとに評価される
 審査配点ロジックが存在します。

 ⇒当事務所までご相談ください。

※技術によっては
 認められる導入時間帯が
 実演時間内の場合とそれ以外の場合
 に分かれます。

 ⇒採択実績ございます。
  当事務所までご相談ください。

 


Q5.収支計画上の収入には
 採択で受け取る予定の補助金も含めてOK?

A5.補助金も収入に加えてOKです。

JLOX補助金の
対象イベント要件のひとつとして
計画上黒字であることが必要ですが、
この収入には、
確定検査後に受け取ると想定する
JLOX補助金自体を加えて問題ありません。
※のぞまれる収支計画については、
 以前のコラム「4⃣補助対象事業」で
 ご紹介しています。


Q6.海外開催イベントは補助してもらえるの?
A6.補助対象外です。

JLOX補助金の
対象イベント要件のひとつとして
日本国内で開催すること
があります。
そのため、海外で実施されるイベントは、
残念ながら補助対象外となります。

Q7.映画の上映会は補助してもらえる?
A7.補助対象となります。

映画は、
JLOX補助金の対象ジャンルですので、
上映会は補助対象となり得ます。
しかし、
単なる映画の上映にとどまるイベントは
実演をともなっていないため、
補助対象外となるリスクが大きい

と考えられますので、
上映会自体でチケット収入を得る
ほか、
イベント実施時間の過半数に
なんらかのパフォーマンスを組み入れる

のが有効と考えます。
具体的な例としては、
CGアニメーション映画と音楽ライブの
ジョイントイベント

などが該当します。

また、
上映する映画がもし

メディア芸術を取り扱うのであれば、
実演はともなわなくてOKです。

Q8.無観客配信でのライブで
  収入はスポンサーから協賛金だけ。
  は補助してもらえる?

A8.補助対象外となります。

まず、
無観客イベントは
一定の観客や参加者を集めて実施する
集客興行とはみなされない

ことから、
残念ながら
対象イベントの要件を満たしません。
また、
収入がスポンサーからの協賛金のみ
の場合、
その対価は
イベント参加に必要な権利を得るために
観客や参加者が支払うのではなく
あくまで任意での支払いに過ぎない

と考えられ、やはり
対象イベントの要件を満たしません。
対策としてはやはり、
イベントを有観客で企画し、
協賛金とは別のチケット販売収入を得る
ことと考えます。

Q9.投げ銭の導入イベントは補助してもらえる?
A9.補助対象となり得ます。

投げ銭は、
補助対象イベント要件のひとつである
デジタル技術に該当しますので、
これを導入するイベントは補助対象
と考えられます。
ただし、
Q8.でも説明した協賛金と同様、
観客から任意で送られる収入は
集客興行として認められない

ことに、注意しましょう。

Q10.イベント出演者はアマチュアでもOK?
A10.プロの演者さんの出演が必要です。
補助対象イベントの出演者は、
申請者である主催者が
出演料を支払っている「プロの出演者」

となります。
そのため、
出演者が主催イベントに出演するために
参加費を払って
いたり
アマチュアが出演するようなイベント
補助対象外となります。
※出演者にチケットノルマを課す場合も
 この取り扱いと同様となります。


Q11.ファンクラブ会員限定イベントは補助
   対象になる?

A11.条件次第では対象になり得ます。
たとえば、その会員限定イベントが
公演収益を目標として
会費とは別のチケット収入を得ている

ものであれば
補助対象になり得ると考えられます。

Q12.イベントの開催場所について
    気を付けるべき点は?

A12.開催形式によって
    おさえるべきポイントがあります。

イベントの開催が
リアルタイム形式であれば、
日本国内の特定の施設やエリアが、
オンラインやバーチャル形式であれば、
イベントサイトのURL
確認できるようにしましょう。



Q13.街コンを今年の夏に開催予定。
       補助してもらえそう?

A13.基本的には補助対象外です。
街コンは、イベントの特色として、
公演目的が集客興行となるか
の要件を満たさないものが多く

補助から外れるものが多いと考えます。
ただし、
街コン自体で収益を開催目標とするもの
であれば、
例外的に補助となり得る可能性もあります。    

Q14.アーカイブ配信のイベントは
        補助してもらえるの?

A14.補助対象になり得ます。
アーカイブ配信は
JLOX補助金でデジタル技術と定義され、
補助対象になり得ます。
ただし、そのアーカイブが
常時配信である場合
過去の映像を配信する場合は補助対象外

となりますので、注意しましょう。

Q15.花火大会は補助してもらえるの?
A15.補助対象となり得ます。
ただし、
花火の打ち上げのみとする一般的な大会
ではなく、
打ち上げ花火と音楽などの特殊演出が
シンクロする、いわゆる芸術花火

であれば、
補助対象イベントとなり得ます。

Q16.ゲームの実況は補助してもらえるの?
A16.補助対象になり得ます。

その実況をともなうイベントが
対象ジャンルや対象イベントの要件にマッチし、
チケット収入を得るものであれば、
補助対象となり得ます。
※補助イベント要件については、
 こちらのコラム4⃣補助対象事業
 で、くわしく説明しています。


Q17.クラシックリサイタルを企画中。
    セットリストと合わせて
    楽曲の解説を入れる構想をしているが
      補助対象になりそう?

A17.補助対象になり得ます。
演劇やクラシック、伝統芸能などで、
演目の解説などをまじえて
実演する公演イベントの場合、
実演時間が公演全体の過半数を占めれば
補助対象になり得ます。

Q18.歌手のミニコンサートを
    商業施設を主催者にして開催予定。
    補助対象になるの?

A18.基本的に補助対象外となります。
商業施設が主催するイベントは、
日本発コンテンツの活用や
新たなニーズの獲得を目指すことが
目的とはいえない

と考えられ、補助対象外となります。
もしも、
このミニコンサートだけで
チケットを販売して収入を得る
など、
商業施設からいわゆる独立した公演
であれば、補助対象となり得ます。

Q19.チャリティイベントは補助してもらえそう?
A19.補助対象となり得ます。
チャリティイベントも、
顧客(イベント参加者)から
チケット収入などを得る
などの
補助イベント要件を満たしている場合は
補助対象になります。
ただし、
寄付金だけで収支が成立するものは
補助対象外
です。

Q20.e-SPORTS大会を企画中。
   ゲームプレイ時間を考えると
     実演時間は大会の過半数もない。
     それでも補助してもらえる?

A20.補助対象になり得ます。
JLOX補助金は
e-SPOTRTSをメディア芸術と定義
しているため、
実演時間の要件は問われませんので、
安心して申請をご検討ください。

Q21.海外向けプロモーション動画を作成して
    無料のアーカイブ配信する
   
国内イベントを企画中。
    補助対象になるの?

A21.補助対象として認められます。
ただし、
アーカイブ配信詳細や
海外視聴可能であることを
採択決定後に証明する
ことが必要となります。
イベントの企画段階から
内容をかためていきましょう。

Q22.導入するデジタル技術は
    実施するイベントの公演時間内
    で使わないとダメなの?

A22.デジタル技術の内容にもよります。
たとえば、
XRやホログラムなどは、
イベントの実施時間内だけでなく、
観客とのコミュニケーション
や販売促進、広告宣伝効果を図る
などの目的に
開演直前や閉演直後の時間
でも活用できそうです。

一方、
マルチアングル配信やライブビューイング
などは、
イベント実施時間外での活用では
パフォーマンスにおける導入効果が
発揮できない

ため
補助対象と評価される可能性は低い
と考えます。
⇒採択実績ございます。
 当事務所までご相談ください。


Q23.イベント音源を後日無料配信予定。
    取り組みとして認められる?

A23.対象取り組みとして認められます。
実施したイベントの音源や動画などを
後日販売や配信する場合は、
2次使用による
デジタルコンテンツの流通・番組販売等
に該当する取り組みとして認められます。


ただし、
イベントに直接的にかからない経費
(=後日発生する編集費、配信費)
などは、
取り組みの評価とは切り分けられ、
補助対象外経費となる

ことに、注意したいところです。

Q24.制作番組を公開録音収録し、後日放映。
    取り組みとして認められる?

A24.対象取り組みとして認められます。
こちらも、Q23と同様、
2次使用による
デジタルコンテンツの流通・番組販売等
に該当する取り組みとして認められます。

この場合の注意点にとしては、
収録のみの実施や観客を無料招待
という場合であれば、
イベント当日、直接的に発生する
経費が確認されにくい
公演自体の収益を目標
とした取り組みには該当しない

として、
補助対象外となる可能性が高いでしょう。



Q25.過去5回以上の公演実績が
    採択に有利らしい。
    どうやってカウントすればいい?

A25.チケット販売単位でカウントしましょう。
過去5回以上開催実績のあるイベントは
JLOX補助金における審査の加点対象です。

このカウント方法としては、
チケット販売した単位でカウントOKです。

たとえば、
2022年に3か所で、
1日昼の部と夜の部の2回公演の場合、

公演実績数は、計6回
と考えてよいでしょう。

【要件の理解=万全な申請の近道】

JLOX補助金のグランドルールは
さまざまな要件がそなわっており、
申請者、実施するイベントいずれも
各要件をクリア
しなければなりません。
また、
イベントの採択を得るためには
各要件のクリアはもちろん、
審査で髙いポイントを得る
ことが求められます。

グランドルールにある要件を
十分ふまえることで、
計画的な申請準備と採択につなげて
いただけると考えます。

WINDS行政書士事務所は
JLOX補助金の最新ルールと
これまでの採択実績、ノウハウを駆使して
エンタメ事業者さまのご相談、
申請サポートを承っております。
ご判断や書類の準備に迷う場合、
補助金申請のプロに
ご相談、サポートをお任せください。