コラム

令和6年能登半島地震の影響によるVISA期限延長

2024.02.01[VISA]


この度の地震によって
犠牲となられた方々の御冥福を
お祈りするとともに、
被災されたすべての皆さまに
心よりお見舞いを申し上げます。


令和6年能登半島地震にともなう
VISAの諸申請の取り扱いについては

こちらのコラムでご紹介しています。
【緊急】令和6年能登半島地震に伴う在留諸申請の取扱い

令和6年能登半島地震に伴う在留諸申請の取扱いPART2





【発令!被災によるVISA期限延長措置】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。

今年元旦に発生した能登半島地震の影響を考慮し、
出入国在留管理庁は、特定の外国人に対しては
VISA申請ができていなくても
VISAの有効期限を6月30日まで延長
することを決定しました。

該当する外国人は、次の要件を満たす者です。



また、次の外国人は、
経過滞在期間が6月30日まで
となり、
在留カードの有効期間も6月30日まで
となります。



経過滞在期間とは、
日本で出生したり、日本国籍を喪失する外国人
が手続きをおこなうにあたり
その事由発生日から60日間
VISAなしで日本に在留できる期間
を言います。

今回の有効期限延長措置は、
今年1月11日に公布、施行された
特措法(特定非常災害の被害者の
権利利益の保全等を図るための
特別措置に関する法律)

に基づくものです。




【VISA期限などの延長措置Q&A】

今回のVISA期限延長措置について
想定される疑問点を
Q&A形式にまとめてみましたので、
ご参考ください。

Q1. 対象のVISAは限られているの?
A1. すべてのVISAが対象です。

今回の特例措置の要件を満たす外国人で、
保有しているVISAはすべて対象となります。
当然、
短期滞在VISAも適用対象です。    

Q2. VISA申請中に期限切れちゃった!
   どうしたらいいの?

A2. 問題なくVISA期限延長が認められます。

VISA申請をしてから、その審査中に
元々保有しているVISA期限が過ぎてしまう
ことがあります。
この場合、
VISA審査結果決定(処分)がされるとき
or
保有するVISA期限から2カ月後
までのいずれか早い時期までの期間

は、引き続き日本に在留できます。
この期間を、特例期間といいます。
特例期間中の外国人ももちろん、
今回のVISA期限延長を適用してもらえ、
在留カードは有効ですので、
ご心配はいりません。

Q3. アメリカ人の夫との間の子が
   
1月15日に出生。
   経過滞在期間の延長対象になる?

A3. 経過滞在期間③を満たせば
   延長が認められます。

出生または国籍喪失手続きが地震発生後
の外国人であっても、
たとえば、
地震発生時点から継続して
要件③のエリアに住所があり
そのエリアに住所がある

場合は、
経過滞在期間の延長が
6月30日まで認められます。


Q4. 特別永住者として被災地に住所がある。
       永住者証明書の期限延長してもらえる?

A4. 有効期限延長対象と認められます。

特別永住者には、在留カードではなく
特別永住者証明書が発行されています。
この証明書においても、
その有効期間が6月29日まで
であり
令和6年能登半島地震に際して
救助法適用区域にいるor住居地がある

場合は、
6月30日まで有効期限延長が認められます。

Q5. 今回のVISA期限の要件を満たすけど、
     VISA申請はオンラインでしたい。
       特に問題ない?

A5.  オンライン申請はNGとなります。

今回のVISA期限延長の対象外国人であっても
残念ながらオンライン申請にかぎっては
VISA期限の延長は認められません。

取り得る方法としては、
VISA期限延長の6月30日までに
最寄りの出入国在留管理庁に紙で申請

または、
在留カードに記載されている
元々のVISA期限の前日までに
オンライン申請

を完了することとなりますので、
注意しましょう。
※オンライン申請については、
 
こちらのコラムでご紹介しています。
⇒オンライン申請対応しています。
 当事務所までご相談ください。


Q6. VISAではないが、
       登録支援機関としての登録期限が
       3月まで

   延長は認められる?

A6. オフィス所在地が被災地であれば
   延長が認められます。

令和6年能登半島地震に際して
救助法適用区域にオフィスの所在地があり
6月29日以前に登録の有効期間を迎える
登録支援機関
は、
万が一手続きをおこなえなかったとしても
登録期限が6月30日まで認められます。

ただし、
登録支援機関としての登録有効期間は
原則5年間
です。
その登録更新手続きは、
登録期限6か月前の月初日から
4か月前の月末日までにおこなう

こととなっています。
※登録更新手続き対象の登録支援機関には、
 期限7カ月前に通知はがきが送付されます。


登録更新手続きが
免除されるわけではない

ですので、
タイミングをみて、
かならず登録更新手続きをおこなう
ようにしましょう。

Q7. 被災地に住んでいて
       近所でアルバイトをしている。
       資格外活動の期限も延長してもらえる?

A7. 資格外活動の延長は認められません。

今回の特例措置において資格外活動は対象外
となっていますので、
アルバイト就業などの
資格外活動期限を延長したい場合は
最寄りの出入国在留管理局に
資格外活動を新たに取得
しましょう。

ちなみに、延長は認められないものの
被災によって
就労活動がおこなえなくなった外国人

新たに資格外活動を特別に付与してもらえる
措置がとられています

ので、活用してみて下さい。
出入国在留管理庁:資格外活動の特別付与

Q8. VISA期限延長が認められれば
       再入国許可の期間も延長になるの?

A8. 再入国許可期間の延長は認められません。

今回の特例措置において再入国許可は対象外
となっています。
そのため、
VISA期限の延長が認められるとしても
再入国許可期間の満了日は変わりません。
再入国許可が認められ
その期間が満了した場合は

新たに再入国許可を取得しましょう。


今年元旦の地震直後から現在に至るまで、
被災地で被害に遭われた皆さま
救助や復旧活動を下さっている皆さま
のご苦労を考えると、
私自身も
いまだ言葉が見つからない想いでいますが、
行政書士として、
1日も早く、
皆さまが平穏な日々、生活に戻られますこと、
そして被災地の復興を、
心からお祈りしています。