コラム

【人気SNS】TikTokのルール

2022.08.24[契約]





【人気のSNS!TikTok】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
コロナ禍に入った2019年以降、
動画サイトやSNSの利用が特に増えています。
動画は観て楽しむだけでなく、
自分を撮ったものを共有する
というところまで広がってきました。
このような動画共有において、
もっとも利用されているツールが、

TikTok

です。

気軽な動画の作成、投稿から
非常に人気があるのは
ご承知のとおりですね。
最近では、YouTuberの中にも、
YouTubeチャンネル以外で
TikTokに動画を共有している方が増えてきています。

もちろん、
TikTokの特徴とルールをしっかりと把握して
思わぬトラブルを予防したいところです。




【TikTokとは】

TikTokとは
中国のByteDance社が提供する
動画共有サイトで、
15秒から60秒ほどのショートビデオを
撮影、加工して
ほかのユーザーに
自分が投稿した動画を共有できる
いわゆる
リップシンクアプリケーションサービス
のひとつとして認知されています。
日本では、
アプリケーションをダウンロードして
使用している方が多いのではないでしょうか。

音符のようなロゴマークは、
「抖音(Douyin)」の拼音表記である
「Dǒuyīn」の頭文字「D」に由来
しているそうです。

取り扱うジャンルも、
ダンス
美容
動物
Vlog
ライフハック

など、
幅広い動画が投稿されています。

TikTokは、使用エリアによって
次の2つに分かれています。



TikTokのユーザー属性は
流行に敏感な10代や20代の若者が中心
でした。
その理由は、
TikTokをチェックしておかなければ
流行に取り残されてしまう
友だちや知り合いとのコミュニケーションに
影響がある

という声が多く、
そうした世代のユーザー利用が急増した
のも、流行に拍車をかけています。

また、コロナ禍後は、
利用総数や年齢層が上昇傾向にもあります。
※アメリカやイギリスでは
 TikTokの合計視聴時間がYouTubeを超えているとの
 調査結果が報道されています。
 ⇒
Business Journalの記事
 
TikTokでは、利用の手軽さから、
あるトレンドが生まれると
多くのユーザーがそのトレンドに便乗し
自らもそういった動画を投稿する

という傾向がうかがえます。




【TikTokが人気の理由】

現在のスマートフォンの普及にともなって、
SNSのユーザーは
スマートフォンを利用して視聴する
機会が増えました。
TikTokがここまで流行しているのは
いくつかの理由が存在します。

①気軽な動画投稿の仕組み
同じSNSでも、
そのコンテンツには違いがあります。



たとえば、Instagramでは
ストーリーやリールという機能で
動画を投稿できるのですが、
TikTokの場合は
動画用のテンプレートが備わっています。
ユーザーは
テンプレートを利用することによって、
音楽や題材を用意しなくても
投稿がしやすくなっています。

また、ユーザーが
動画の手軽な投稿はもちろん、
加工や修正、編集などを簡単におこなえる
という点で、
他の動画共有サイトとの差別化が成立しています。
まさに、
気軽に動画投稿ができる使いやすいSNS
と言われる理由がここにあります。

②スマートフォンとの親和性
スマートフォンは、
パソコンとは違い、
すき間時間や移動時間に
動画を手軽に視聴できる

というメリットがあります。
ショートビデオを中心に展開するTikTokは、
こうしたスマートフォンに
アプリケーションとして
ダウンロードして利用するパターンが多く

他の動画共有サイトと比べると、
スマートフォンとの親和性の髙さ
トップクラスといえます。

YouTubeと同じく
おすすめ動画機能も優れており、
ユーザーが自分で動画を探さなくても
視聴トレンドに合った動画が表示される
ため、
ユーザーが視聴に夢中になりやすい仕組み
になっています。

③インフルエンサーのバックアップ
SNSで投稿される動画は
拡散力の高いインフルエンサーによって
クオリティの優れた動画を観ることができます。
そうしたインフルエンサーが増えれば、
クオリティの高い動画の視聴回数を
増やすことができます。
TikTokは、
インフルエンサーとの関係を構築するために、
インフルエンサーが活動を続けやすいような
フォロー体制
も整えています。

④企業や団体とのコラボレーション
TikTokの流行は
一般ユーザーやYouTuberだけでななく、
企業も注目して利用しています。
最近では、
商品やサービスを
ハッシュタグつきで動画投稿してもらう
ハッシュタグチャレンジ
というイベントが流行しています。




【TikTokの利用規約とリスク】

TikTokはSNSの中でも、
動画の投稿に特化したものです。
そのライブ感と現実的な媒体の取り扱いに
危険性を感じる方も
いらっしゃるのではないでしょうか。

そこで確認すべきなのが、
利用規約となります。
TikTok利用規約は、
ユーザーがTikTokを利用するための
条件やルールが記載されており、
契約書類にも該当するものです。
※利用規約については、
 以前のコラムで詳しくご紹介しています。
 ⇒こちら


TikTok利用規約に違反すると
TikTokのアカウントが利用できなくなる

可能性がありますので、注意が必要です。

第5条 お客様による本サービスのご利用(一部抜粋)
当社は、理由の有無および如何を問わず、当社の裁量により、事前通知なくしていつでもコンテンツを削除またはコンテンツへのアクセスを無効化する権利を有します。
当社がコンテンツを削除またはコンテンツへのアクセスを無効化する場合の理由としては、コンテンツが好ましくない、本規約もしくは当社のコミュニティガイドラインに違反する、または、本サービスもしくは当社のユーザに危害を及ぼすと判断することが例として挙げられます。
当社の自動化されたシステムは、お客様個々人に適切な製品機能
(カスタマイズされた検索結果、カスタマイズされた広告、スパムおよびマルウェアの発見など)
を提供するために、お客様のコンテンツを分析します。
この分析は、コンテンツが送信される時点、受信される時点、および保存される時点において行われます。


TikTok利用規約を確認すると、
さまざまなトラブル要因を
想定することができます。

①対象年齢
TikTokの利用可能年齢は13歳以上
と制限されています。

第11条e.年齢制限
本サービスは、13歳以上の方(特定法域向け補足条項において追加的な制限が課される場合があります。)のみが利用できるものとします。
本サービスをご利用いただくことにより、お客様は規定された年齢以上であることを保証したものとします。
上記年齢未満の方が本サービスを利用していることがわかった場合、当社は該当するユーザアカウントを終了させます。


13歳以上ではあっても未成年者ですので、
ユーザーの使用方法には
十分気をつける必要があります。
※YouTubeも
 13歳未満の者はアカウントを作成できません。
※未成年の法律行為については、
 以前のコラムでも詳しくご紹介しています。
 ⇒こちら


②使用場所やシチュエーション
TikTokに投稿した動画に
被写体の特徴や服装や、
場所や施設、景色から、
投稿したユーザーや家族、友人などの自宅や
撮影場所を特定される危険性があります。

第5条 お客様による本サービスのご利用(一部抜粋)
お客様が本サービスにアクセスしまたは本サービスを利用するにあたり、本規約および適用されるすべての法令を遵守してください。お客様は、以下の事項を行うことはできません。
・他者に恐れを抱かせたり嫌がらせしたりすること、性的に露骨な表現をしたり、
暴力を宣伝したり、人種、性別、宗教、国籍、身体障碍、性的指向または年齢による差別を助長すること


ほんの少しだけであってとしても、
複数投稿された動画情報から、
映ったものをチェックした結果
個人を特定され
拡散やいやがらせをされる

おそれも十分あります。

③閲覧ユーザーの反応
TikTokは、投稿された動画に対して
いいねやコメントを付けることができます。
ユーザーがが投稿した動画に
良い反応をもらえるのはうれしいですが、
なかには
ネガティブコメントをするユーザーも存在
する場合があります。
また、ユーザーは、
本名でないアカウント名で書き込みができる
ので、
いろいろなコメントを受け取ったり
他者になりすまして
アカウントを作成投稿できてしまう

という事実があります。

第5条 お客様による本サービスのご利用(一部抜粋)
お客様が本サービスにアクセスしまたは本サービスを利用するにあたり、本規約および適用されるすべての法令を遵守してください。お客様は、以下の事項を行うことはできません。
・TikTokからの許可なく他者のアカウント、サービスまたはシステムを使用することまたはかかる使用を試みること、本サービスにおいて虚偽の身元を作成すること


④ネットストーカー
③から発展する被害として、
ネットストーキングが存在します。
たとえば、
ユーザーが投稿した動画を見た
別のユーザーから
一方的に興味や好意を寄せられ
コメントやメッセージで書き込みが
エスカレート

ひいては、
別のSNSも特定され
過剰な量のコメントや拡散
ユーザーにちなんだ場所で待ち伏せ

といったケースが多発しています。
TikTokは拡散力が高いことが
メリットとデメリット
両面の側面を持ちます。
特定されたユーザーが
全く知らないユーザーに
全く知らないときに
全く知らないSNSで拡散され
ユーザーがさらされる

という可能性も否めません。

第5条 お客様による本サービスのご利用(一部抜粋)
お客様が本サービスにアクセスしまたは本サービスを利用するにあたり、本規約および適用されるすべての法令を遵守してください。お客様は、以下の事項を行うことはできません。
•本サービスの適正な運用を侵害すること、またはかかる侵害を試みること、当社ウェブサイトや本サービスが接続しているネットワークを妨害すること、本サービスへのアクセスを防ぐまたは制限するために当社が使用することのある措置を回避すること


1度インターネットに投稿されると
その動画を
ほかのユーザーの記憶ごと
完全に消すことは難しい、
いわゆる
デジタルタトゥーとなってしまう
おそれがあります。




【YouTuberにもリスクがひそむ】

最近では、YouTuberが、
YouTubeで動画を投稿しつつ
TikTokも利用展開する
場面が増えてきています。
似て非なる2つのサービスは、
利用規約との関係でも
問題が生じる可能性もあります。
※YouTubeの利用規約については、
 以前のコラムでもご紹介しています。
 ⇒こちら


①著作権の抵触
YouTuberがTikTokを利用する場合、
TikTokに投稿された動画を
YouTubeでの動画投稿に利用する

ケースが考えられます。

YouTubeでは
比較的長い時間の動画が投稿される
ことが多いのですが、
2020年9月から
YouTubeショート
という機能でショート動画が投稿できる
ようになっています。
この機能を使って、
YouTuberが
TikTokでバズった(反応が高かった)動画を
YouTubeショートにも転用して投稿する

というケースも見られます。

第6条 知的財産権
当社は知的財産権を尊重しています。お客様にも同様に尊重していただくようお願いいたします。
お客様は、本サービスにアクセスしまたは本サービスを利用する条件として、本サービスを知的財産権を侵害するために利用しないことに同意するものとします。
当社は、通知を行うか否かに関わらず当社単独の判断により、何らかの著作権その他の知的財産権を侵害しているか侵害の主張を受けているユーザアカウントのアクセスをいつでも遮断し、アカウントを終了する権利を有します。


もしも、
YouTuberが
TikTokで投稿されたほかのユーザーの動画を
YouTubeでの動画投稿に利用した
ということが発覚した場合
TikTokの規約に違反
することになります。
また、他者のものを無断使用したことによる
著作権侵害にもなります。

②投稿禁止ジャンル
TikTokでも、YouTubeと同じように、
投稿が禁止されるコンテンツ
が利用規約で詳細に規定されています。



YouTuberが、自身のチャンネルで
TikTokに動画を投稿する際には、
動画がこうした内容に触れていないか
を確認するべきです。




【適切な利用のための対策】 

TikTokに存在するさまざまなリスク。
リアルタイムに
匿名でも使用できるSNSであることから
それらリスクや危険性を
すべて排除することは難しいですが、
できるだけ安全に、適切に
TikTokを利用するために
気をつけるべき点をまとめてみました。

①アカウントの設定
TikTokを身近な人だけで楽しむのであれば、
アカウントは非公開にした方が良いでしょう。

アカウントを非公開にすることで、
フォロワーは
自分が承認したユーザーだけに限定
でき、
不特定多数の人に見られるリスクを避ける
ことができます。

ただ、拡散力のあるTikTokは、
たくさんの人に観てもらえる
というメリットも忘れてはなりません。
もしアカウントを公開する場合は
本名や生年月日などの
パーソナルデータを入れない

ことをおすすめします。

②撮影場所の限定
TikTokは
いつでもどこでも気軽に撮影できる
のが大きなメリットとありますが、
撮影場所には十分気をつけましょう。

特に
撮影場所が自宅や近所である場合に
細心の注意を払いたい
ところです。
撮影場所で映り込んだ物から
個人が特定される
可能性もありますので
注意しましょう。

TikTokは
動画のダウンロードも可能であるため、
1度インターネットにアップすると拡散が早いです。
完全にその動画を消すことは難しくなりますので
気を付けたいところです。

③コメントやダウンロードの制限
TikTokは
コメントやダウンロードを制限する機能があります。
たとえば、
コメントのキーワードブロックを設定すると
指定したキーワードが入ったコメントが
できなくなります。
あらぬ誹謗中傷を避けたいという
目的にフィットした設定機能です。



④ペアレンタルコントロール
13歳から17歳までの未成年者
TikTokを使用する場合は、
ペアレンタルコントロール(保護者管理)機能
を利用することによって
お子さまが安心してTikTokを楽しめるよう、
保護者が適切に管理されるのが良いでしょう。


TikTok保護者向けガイドも存在します。




【SNSルールの正しい理解が楽しい利用に】

現在、非常に人気のある、TikTok。
ほかのSNSと同じように
利用するためのルールが存在します。
同じ動画を取り扱うYouTubeとは
類似している部分もあります。
ルールを正しく守って、
楽しく有意義にSNSを利用したいですね。

またTikTokは、
YouTubeとはその運用に異なる部分もあり
それらがルールにも反映しています。
YouTuberのチャンネルを持っているが
TikTokへの並行投稿に迷う
というYouTuberもいるかもしれません。

WINDS行政書士事務所は、
利用規約や規則、契約書などの作成や
リーガルチェックといった、
法務対応を承っております。
SNSの利用規約やルール知識を持つ
専門家へ、是非ご相談ください。