コラム

【個人事業主じゃダメ?】会社を作るメリット

2021.07.21[事業支援]




【身近な存在?としての「会社」】

こんにちは。
西新宿の行政書士、田中良秋です。

事業主が自分の事業を始めるとき、
または事業を大きく計画しているとき、

この商売をしたい
もっと利益を上げたい。
事業を大きくしたい


という目標をかかげます。
そんなとき、

個人事業主でいるべきか
会社を立ち上げるべきか


という問題を、
1度は意識されるのではないでしょうか。

私のまわりでも、
会社を作ったよ!
会社を持っているよ!

という報告やお話を聞く機会がありますが、
そもそも、

会社ってなんだろう?

と、思ったことはありませんか?

もしかすると、
雇用されている従業員さんや学生さんの方は、
あまり深く考えることはないかもしれません。

しかし、私たちは、
会社を経営しているかどうかにかかわらず、
会社というものを良く知っておくと
日常生活でも得をすることも多いのです。




【会社≠法人?】

日本において、
会社をわかりやすく説明すると、

商業登記をした組織、団体

となります。

事業者は、法務局に対して、
「会社を作りたい」
という登記の申請をおこない、
法務局から許可を得ることによって、
会社が誕生します。
※登記の申請は、
 司法書士に代行を依頼することができます。


日本で定義されている会社の形態は、
特徴や社員の責任範囲によって、
次の4つがあります。


※会社での責任の範囲は、
 「無限」:社員が会社と連帯して
      最後まで全部責任を持つ
 「有限」:社員は
      出資額の範囲内で責任を持つ
 に分けられます。


このほかにも、
よく私たちのまわりには、

  NPO法人
  行政書士法人
  宗教法人
  一般社団法人
  財団法人


などの法人が存在します。

しかし、会社と法人は、
似ているようで、必ずしも同じではありません。
会社と法人の関係を図にすると、こうなります。


特徴や違いとしては、
次の2点が欠かせません。

①人格
 法人は、(法)人格を持ちます。
 人格を持つということは、
 人と同じことができ
 ほかの人とは違う意思を持つ

 ことができるということです。
 たとえば、
 社長が法人のトップであったとしても、
 法人は社長と決して一心同体ではないため、
 特定の者に経営を完全に任せることなく、
 経営者や取締役、株主などが、
 会社の運営、従業員の雇用、営業活動をおこなう

 ことができます。

②会社だけができること
 会社でなければできないこととして、
 株式の配当
 (株式)会社の上場

 があげられます。



【会社であることのメリット】


会社として事業活動をおこなうにあたっては
次のようなメリットがあります。

①節税しやすい
 さまざまな課税によって税率が適用されますが、
 個人事業主がMAX60%程度に対して、
 法人は、MAX35%程度と税率が低いです。
 事業規模が大きくなるほど、
 個人事業主でいるよりも法人化したほうが
 税金も安くなり、損益にも直結します。
 また、赤字における納税繰越期間も、
 個人事業主=3年 < 法人=9年
 
と長く設定されています。
 
②社会的信用度が高い
 社会の中で、会社であるということ、
 会社の一員である肩書きを持つことは、
 大手と取引しやすい
 学生さんの採用活動がしやすい
 メディア対応しやすい

 など、
 個人事業主よりも信用の幅に違いがあります。
 会社が持つ最大のメリットと
 言えるのではないでしょうか。

③資金調達に有利
 会社は、社会的な信用が高い分、
 資金調達においても有利であり、
 大きな事業にも着手しやすくなります。
 資金調達の手段としては、
 融資を受ける
 株式の発行

 があげられます。
 ※一部の補助金では、申請要件として、
  法人や団体でなければならない
  という制度もあります。

 
 株式の場合は、
 株主が株式を買う(=出資する)
 ことによって資金調達に成功する
 ということも多いです。
 ※上場していないが高成長が予想される
  ベンチャー企業やスタートアップ企業に対して
  出資を行う投資会社(=ベンチャーキャピタル)
  の
存在もあります。


 株式を買ってくれる株主を
 さらに多く募集する機会を増やすため、
 会社の
上場という手段も有効です。
 
これらのようなメリットは、

会社が事業をスムーズに展開しやすくなる

ことにつながります。




【会社を作るうえでの課題】

会社を立ち上げることによって、
メリットがある一方、
次のようなルールがあることも念頭におくべきです。

①設立費用
 たとえば、株式会社を設立する場合は、
 定款を作成したり、登記をおこないます。
 そのとき、
 国に納める登録免許税や印紙代として
 242,000円の実費がかかります。
 ※合同会社の場合は、100,000円。
 ※
定款の認証に必要な
  印紙代は当事務所にて0円にできます
  ご相談ください。

  ⇒コラムにて詳しくご紹介しています。


②帳簿上の管理ルール
 個人事業主は帳簿上、簡易簿記を採用でき、
 損益だけを把握できれば問題ありませんが、
 法人の場合は、
 複式簿記というルールを採用するため、
 損益だけでなく、
 資産や負債などの残高管理が必要
となります。
 また、
 年間交際費の計上額に制限があったりもします。

③赤字の中の納税
 事業の結果、その年度の経営が赤字となった場合、
 個人事業主は所得税の支払いが不要となりますが、
 これに対して、法人の場合は、
 県民税や市民税として、均等割が適用され、
 年間最低7万円以上が課税されます。


【会社を作ったその先を見据える】

事業者の皆さまでも、

最初から会社として開業
個人事業主から会社に形態スイッチ


とさまざまなケースがありますが、
会社であることによる、
それぞれの対策や理由があります。

会社を作るべきかどうかは、
メリットやデメリットをふまえて、

事業者の皆さまご自身が
ビジネスや会社をどうしていきたいのか


を十分に検討することが
大切と考えます。

このビジネスにはどんな会社を作ればいい?
会社設立にいくら時間とお金がかかるの?
手続きにはどんな書類が必要?


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