コラム

帰化申請の許可状況

2020.02.12[VISA]



【近年の帰化申請の状況】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。

以前のコラムでは、
外国人が日本国籍に帰化するための要件や種類についてご紹介しました。
 ※以前のコラムはこちら

日本人に帰化するためには、法務局への申請を経て、その許可を得ることが必要ですが、
実際の許可の状況はどうなっているのでしょうか。
今回はそのデータをグラフ化して、検証をしてみました。
 ※法務省のデータを参照しています。
      http://www.moj.go.jp/MINJI/toukei_t_minj03.html



【毎年どのくらいの帰化申請がされているの?】

過去5年間の帰化申請の状況は以下のとおりです。

年間、10,000人前後の方が、帰化申請をされていらっしゃいます。
この中で、およそ8割以上の外国人の皆さんが許可を得ており、
その割合が上がっている一方、
申請者数自体は、2016年からは少しずつ減少傾向にあり、
許可者数にも影響しています。




【どんな国の人が帰化申請しているの?】

実際に帰化申請の許可を受けた方は、どの国籍の方が多いでしょうか。

直近の2018年度で検証した結果、首位は韓国籍・朝鮮籍の方で、全体のほぼ半数。
次いで2位は中国籍で、全体の3割弱を占めています。

実は、中国籍の方は、在留している外国人では1位なんです。
意外だと思われる方もいらっしゃるかと思います。

第2次世界大戦前後から、在日韓国人・朝鮮人の方々は、
都市部のコリアンタウンなどといったコミュニティを築きあげ、
長い期間をかけて地域に定着してきました。
それらの方のご子孫にあたる、在日2世以降の方が、ライフプランをご検討の結果、
成人以降に帰化申請にいたるということも多いようです。




【帰化申請が不許可になった人はどのくらいいるの?】

残念ながら許可が下りなかった申請についても、目を向けてみましょう。

1年あたりの許可者数の状況を分析してみますと、
そのほぼ半数を占めてきた韓国籍・朝鮮籍の方が減少しており、
これが、全体的な許可件数の減少にも影響をおよぼしていることがわかります。

※許可率と不許可率の合計は、かならずしも一致しません。
 その原因としては、申請から許可の確認にいたるまでの審査期間が
 年をまたいでいることと推測します。




申請に対して不許可となった確率=不許可率
許可件数に対する不許可件数の割合=不許可相対率
を確認していきますと、

不許可率は、毎年少しずつ上昇傾向にあることが数値にあらわれており、
帰化許可を受ける難易度が高くなっていることが推測できます。
許可にいたるまでのハードルは、依然高いことがわかりますね。




【帰化申請は慎重に、十分な計画をもって】

近年の帰化申請の状況を検証してみましたが、いかがでしたでしょうか。

帰化申請は、申請者が帰化するための要件をクリアしていることが大切です。
その要件に合わせて、様々な書類を提出し、インタビューが行われます。

さらに帰化の審査は、要件と提出書類を満たせばよいわけではなく、
法務大臣の裁量が大きくかかわることを忘れてはいけません。

長い審査のあとに許可を経てからも、続く手続きがひかえており、
申請者の生活環境も大きく変わる場合があります。

申請されるご本人さまご自身のライフプランを、十分にご検討いただいたうえで、
ベストなタイミングで申請を進めていくことは重要であると考えます。

帰化申請におけるご相談、ご不明点に関しまして、
WINDS行政書士事務所は万全のサポートをさせていただきます。