コラム

在留資格における審査期間

2019.11.13[VISA]



【在留資格に関係する審査にかかる日数】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。

外国人が日本に在留するために必要な在留資格は、

 在留資格認定証明書交付申請
 在留資格変更申請
 在留期間更新申請


といった申請手続きを経て取得することができますが、

申請してからどのくらいの期間で許可が出るんだろう?

そう、思われることもあるかと思います。

在留資格における申請の審査期間は、そのカテゴリーや時期によっても異なりますが、
出入国管理庁より、標準的な期間のデータが四半期別に公表されています。

 法務省: 出入国管理庁地方入国管理局 在留審査処理期間
 http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00140.html


秋から年末年始にかけては、外国人の在留資格における審査が立て込む
傾向があります。

審査が立て込めば、それだけ審査期間は長くなり、許可が下りる時期も遅くなります。
許可が下りる時期が遅くなれば、新生活のための準備も、新生活自体も、後ろ倒しとなってしまいます。

審査が立て込む主な理由としては、
春から新生活を迎える留学生や、新社会人、
また新たに作られた在留資格「特定技能」に係る手続き件数が多くなることが考えられます。


【留学生に関係する申請の審査期間は?】



今回は、
外国人が日本の学校に留学をする場合、
在留している留学生が学業を修了して就職する場合、
をモデルとして、平成30年度の審査期間推移をシンプルなグラフに表してみました。



いずれも、
第三四半期(10月~12月)から第四四半期(1月~3月)にかけて、
審査期間が増えていることがわかります。

留学生が取得する在留資格は「留学」となります。
この場合、在留資格認定証明書の交付審査には、
通年1か月以上の期間がかかる見込みです。
入学やその事前準備の時期に差し掛かる1月から3月は、
在留を希望する外国人が増えることや、
留学終了後の不法滞在を未然に防ぐために審査に時間をかけることから、
審査期間が長引くことにつながると考えられます。

留学生が大学や専門学校を卒業し、就職先に入社する場合は、
在留目的が変わるため、就労系の在留資格に変更します。
在留資格については、こちらをご参照ください)

たとえば、「技術・人文知識・国際業務」という在留資格に変更する場合はどうでしょうか。
やはり、第四四半期の審査期間が増えています。
これは、就職活動を経て入社の内定を受けたり、就職先が決定することによって、
在留資格変更申請件数が増え、出入国管理局での審査作業に時間がかかるためであると考えられます。

それ以外の在留資格申請手続きについても、審査期間が70日を超えるものが存在しているようです。

その他の在留資格として、
 就職活動中などの「特定活動」
 技能実習生で企業単独型の「技能実習1号イ」
 技能実習生で団体監理型の技能実習1号ロ」
についても、認定証明書交付申請の標準処理期間を比較してみました。
このデータから、他の在留資格と比較しても、
「留学」にかかる処理期間の推移には、大きな変化があることがわかります。




【申請にかかる審査期間≠実際の審査期間】

これらのデータは、あくまで標準的なものであり、
実際の審査期間とは限らないため、

「昨年度の平均的な審査期間」をあらわしているにすぎない

ことに注意が必要です。

また、この数年で新たに認められてきた在留資格(介護、技能実習、特定技能)も影響し、

令和元年度審査期間は、さらに長引く傾向にある

と思われます。
新しい在留資格におけるデータは、昨年度までは存在していなかったり、
申請件数が少なかったものもあり、処理日数の変動も激しいです。


申請が年をまたいでしまうことによって、万が一許可が下りなかった場合、
就職先での業務ができなくなるおそれがあるなど、その影響は計り知れません。

【新生活に影響が出ないように、申請はお早めに】

生活サイクルや習慣が変わり、服装や気分も一新される来春。
留学生の皆さんには新鮮な気持ちで、新生活を迎えていただきたいと願っています。
在留資格の取得や変更の申請手続きは、是非WINDS行政書士事務所にお早めにご依頼ください。