コラム

【事業発展のロードマップ】事業計画書

2021.12.15[事業支援]





【資金繰りを引き寄せる重要ツール】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。

法人、個人にかかわらず、
事業者さまが事業を進めていくときに
避けて通れない課題となるのが、
資金繰り
ではないでしょうか。
事業資金がマイナスとなれば、
お給料や取引先への支払いなどが
できなくなってしまいますが、
事業資金がプラスであれば、
月々の費用の支払いだけでなく、
事業に向けた投資にも
目を向けることができますね


こうした資金繰り検討に
役に立つ書類が、

事業計画書

です。

補助金や融資を受けたりするとき、
現在では欠かせない書類となりましたが、
実際に作成しようとするとき、
その構成や記載方法に迷われる方は
多いのではないでしょうか。

ポイントをおさえて
効果的な事業計画書を作成することは
事業の継続と発展においての
近道に導いてくれます。




【事業計画書とは】

事業計画書とは、
事業者が事業の存在を明確にするため、
取り巻く環境や進むべき方向性、
関係者や収支計画などを記載した書類で、
いわば、
事業者のジネス設計図
と言えるものです。

事業計画書を作成することで
得られるメリットを3点、あげてみました。



事業計画書のメインの提示先は、
金融機関や投資家
公的機関
クライアント

などで、
資金調達や事業承継の実施
補助金申請

のために作成を求められる場面が多いです。
社内で来期の予算や事業戦略を組むために
会社が自主的に策定することもあります。

良い事業計画書とは
やはり、
計画内容に説得力がある
ということに尽きます。

提出先が金融機関の場合、
将来の返済能力が期待できない事業者
への融資はためらわれますし、
投資家や公的機関であれば、
成長や事業の成功が見込めない会社へ
出資や補助採択は決定できないでしょう。

事業計画書は、
事業の継続的な収益性をアピールして、
相手の信頼を得るために
必要不可欠なツールとなるのです。




【事業計画策定の考えかた】

これまで
当事務所でお受けしたご相談内容から、
事業計画策定の考えかたは、
次の2つのタイプ軸に分かれます。



まわりの環境や内部状況をみて
改善に取り掛かれば解決する場合は①

まわりの環境や内部状況が改善しきれず
ドラスティックな変革や新規事業
を起こす必要がある場合は②


を軸にしていくと、
事業計画を策定しやすい
のではないかと考えます。



【事業計画書の項目ポイント】

事業計画書を作成するにあたって
私が設定すべきと考える項目、
項目ごとのポイントをご紹介します。



①会社(または個人事業主)概要
創業時であれば、
代表者の経歴や取得している資格、
事業に関連する実務経験やノウハウ
を追加するとベターです。
代表者の事業に対する想いも記載することで、
事業への本気度もアピールできます。

②事業概要
スタートしようとしている事業内容を
具体的に記載します。
たとえば、次のように、
ターゲットとしている顧客や
事業展開方法などを明確にすると、
概要を提出先に伝えやすいです。



関係者が多く、
シンプルに文章化するのが難しい場合は、
サービスのながれや事業イメージ図
を添えることで、
伝わりやすくなるでしょう。

③事業コンセプト
ビジネス経験が少ない創業者は、
効果的なアピールをするために
特に最重要視すべき項目です。
事業を通した将来像や、事業が成功によって
どのような方がどのような影響を受けるか
を盛り込むと、
事業の熱意が伝わります。
事業展開中、方向性や判断に迷うときの
立ち返る指標になるはずです。

④組織
従業員は
雇用期間に関係なく業務を行う人

を指します。
取締役や監査役といった役員は、
従業員には含まれません。

また、
配偶者やご家族が事業を手伝う場合は、
従業員数の欄のほかに
「(うち家族)」
といった内訳を設けるとよいでしょう。

⑤競合・市場規模
競合他社は3社程度設定し、
それぞれの強みや弱みを分析、
記載することをおすすめします。
この部分がはっきりすることで、
この次の⑥を発見しやすくなります。

⑥自社の強み・弱み
会社の内部環境と外部環境の分析を通して、
経営戦略や営業計画の立案を図るための
ビジネスフレームワークとして
SWOT分析があります。

このフレームワークを通して、
強み(Strength)
弱み(Weakness)
機会(Opportunity)
脅威(Threat)

の4点から、
自社の強みと弱みを割り出します。


強みについては、
持っているスキルやノウハウ
組織力や企業風土
利便性

をベースに、
自社が顧客から選ばれる理由や根拠
を分析します。
弱みについては、
改善点
解決策

などを合わせて考えると良いでしょう。

⑦商材
顧客に提供するものを
見える価値
見えにくい価値

に分けて分析します。
価格やサービスの違いを
競合他社と比べて分析すると、効果的です。

⑧販売戦略・ビジネスモデル
事業における登場人物を設定し、
顧客が自社のサービスや商品を購入、
自社の利益を生み出すまでの仕組みを
具体的に説明します。
販売促進から代金回収までのフローチャート
などでまとめるのもOKです。

⑨事業体制・人員計画
事業スタート当初から、
長期的にみた人員計画ができているとベターです。
プロジェクトや別部署を設置するのであれば、
その組織図もあると良いでしょう。
利益が出る分、
比例してランニングコストもかかると想定すると、
⑩で割り出した人件費や利益とセットで考える
ことで、説得力が増します。

⑩収支計画
見込客数や単価
実現可能なレベルで予測して、
商品やサービス、顧客と単位区別
して策定します。
売上はどの要素、どの商材を中心に伸ばしていきたいか
をイメージすると
自社が理想とする策定に近づきます。
さらに収支を数字化させ、
将来の利益の見通しをはっきりさせることで、
何を主力商材にして、どの経費をおさえるべきか
が見えてきます。



【注意!事業計画書作成の落とし穴】

インターネット上では、
いくつかの事業計画書のテンプレート
も見受けられます。
あらかじめ入力項目が決められているため、
便利ではありますが、
決められたとおりの項目入力だけで終わると
将来的のビジョンのアピールが不十分
となる状態にも陥りやすい
です。

必要な提示先に
必要な場面で
理解してもらえる

ために、
次の点に注意されると良いかと考えます。

①具体性

数字的な計画だけでなく、
会社沿革やビジネスモデルと関わる取引先、
SWOT分析で割り出された強みや弱み
をできるだけ詳しく記載することで、
事業や成功性が現実味を帯びます。

②整合性
①と加えて大切なのが、
シンプルで、メリハリのついた内容
にすることです。
結論が見えず、長々とした文章は
相手に伝わりにくく、
最後まで入念に読んでいただける機会を
削いでしまいます。
文章として長くなりそうであれば、
グラフや図解を取り入れるのも効果的です。

③正当性
計画書で示した数字に
実現性や根拠がそなわっている
ことが必要です。
可能な限り具体例や裏付けを記載して
フォローアップできるようにしましょう。

④競合性
事業計画書に
競合分析が記載されていないと、
適当に考えているのではないか
独りよがりのアピール

といった印象を持たれてしまうこともあり、
相手に伝わるかという点では不利
にはたらきます。
マーケット全体や周辺の環境
を見つめたうえで、
収支の説明につなげられるよう
工夫しましょう。
これを踏まえて、
自社の強みや弱みを説明すると、
説得力が増します。


【事業計画書は事業成功のラストピース】

事業計画書は、
事業の計画だけでなく
事業者の皆さまの想いも伝えるための、
大切なプレゼンツールです。
分かりやすく一貫して
ストーリー性がある

ことが、事業の成功につながります。

事業計画書の作成は、確かにハードな作業であり、
作成フォームはどうしたらよいのか
事業アピールポイントがつかめない
数字を使った計画が難しい


というお悩みや相談も、
よくお受けしております。

WINDS行政書士事務所では、
こうした事業計画書の作成を、
お客さまのケースバイケースに合わせて
サポートさせていただいております。
事業成功の第1歩が、間違いのないよう、
是非、専門家を有効活用してください。