コラム

たばこの出張販売申請

2021.09.15[風俗営業法]





【違う場所や施設でのたばこ販売】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
身近な嗜好品皆さまが手に取るものとして
お酒とならぶのが、
たばこではないでしょうか。

昨今の健康志向の高まり、
またこのコロナ禍のさなかには
健康増進法が改正、施行され、
喫煙機会の減少も垣間見えますが、
嗜好品としてのたばこに、
強いこだわりやファンも根強く、
最近では、箱たばこだけでなく
水たばこや電子たばこも
SNSを騒がせています。

実際に、飲食店の事業者さまから
店内で喫煙ができる方法を知りたい
別の場所でも自分の仕入れたたばこを売りたい
というご相談もいただきます。

そんな事業者さまにフィットする
と思われるのが、
たばこの出張販売
です。




【たばこの出張販売】

たばこを出張販売するとは、

たばこの小売販売業者が、
許可された営業所以外の場所
に出向いて
たばこを対面販売する


ことを指します。

このスタイルの販売をするためには、
たばこの出張販売申請の許可を得る

ことが必要です。

出張販売免許を
取得するための要件は、
出張販売の定義から
読み解くことができます。

①「たばこの小売販売業者」
申請者が
既存のたばこ店であること
すなわち、
たばこの小売販売免許を持っている
ことが必要です。
※たばこの小売販売免許申請について、
 以前のコラムでもご紹介しています。
 ⇒
こちら

②「営業所以外の場所」
出張販売場所や設備は、
法令や条例による
喫煙が認められるための
基準を満たさなければなりません。
具体的には、
次のような設備であることが必要です。


※小売店舗は出張販売場所としてNGです。

出張販売場所はさらに、
次のような要件を求められます。


③「たばこを対面販売する」
出張販売場所は、
喫煙がメインの目的であり、
たばこを対面販売する場所です。
また、
主食(定食、ピザ、ラーメンなど)
と認められる食事を提供しない

ことが求められます。
※オードブルやおつまみ
 程度の食事提供はOKです。


また、たばこを販売する以上、
未成年者からたばこに触れる機会を
離さなければならないので、
スタッフ、客ともに
未成年者が出入りしない

ことも大切です。


【出張販売のメリット】

たばこを出張販売することによって
メリットも得られます。

①シガーバーとしての営業
スタッフや客に未成年者がいて
お店を出入りする場合、
そのお店は
受動喫煙対策をとり
店内は原則禁煙

としなければなりません。
改正健康増進法は2021年4月1日施行されました。
 以前のコラムでもご紹介しています。
 ⇒こちら

 
たとえば、
スナックやキャバクラ、バー
といったお店が、
出張販売店としての要件を満たし
出張販売許可を取得することができれば、
シガーバー(喫煙目的室)として、
一部または全部を喫煙スペースとする

ことができます。

お店を喫煙スペースにできる
ということは、
店内で喫煙OK
ことになり、
受動喫煙対策を回避できる
というメリットが生まれます。
※換気扇やエアーカーテン
 といった設備を設置する
 という対応方法もあります。


②自動販売機を使った販売機会
出張販売方法のもうひとつのメリットは
営業所以外の場所に自動販売機を設置して
たばこを販売できる
ことです。
この場合、
設置される自動販売機は、
販売業者の代理
とみなされます。
※自動販売機はリースできます。
※出張販売で自動販売機を設置した場合は、
 手売りNG、
 また申請者自身でたばこを補充します。



【申請の審査フロー】

申請書や必要書類を準備のうえ、
JT(にほんたばこ産業株式会社)に提出、申請します。
申請内容は不備がないか書類チェックの後、
検査担当者による現地調査が行われます。
この2つを経て、JTによる審査が行われ、
審査結果が通達されます。
※審査期間は2か月前後が目安とされています。

必要書類のなかには、
出張販売先のオーナーが
たばこの販売を同意した

ことを証明する同意書も含まれています。




【喫煙目的室であるということ】

喫煙目的室であるためには
次のような要件に従わなければなりません。

①たばこの出張販売許可書の保管
たばこの出張販売の許可がおりると、
出張販売許可書を得ることができます。
この許可書をはじめ、出張販売許可の証明書類は、
厳重な保管をしておきましょう。

②店舗の入口や客が目視できる場所の標識の掲示
お店には、次のような内容が記載された標識を
掲示しておく必要があります。
・喫煙目的室の設置
・喫煙場所
・未成年者立入不可


これらの対応をしなかった場合、
MAX50万円の過料
が発生する可能性があり、
場合によっては、
立入検査の実施なども行われ、
行政指導や店舗名の公表、命令
などにも発展します。

たばこの販売にあたっては、
その販売方法によって、
さまざまな種別の申請が用意されています。
販売免許を得るためには、
お店自体や販売方法の要件を
守らなければなりません。

たばこの販売店を開きたい
営業中のバー以外の場所でたばこを売りたい


という事業者の皆さま。
WINDS行政書士事務所が要件の解説、
申請サポートを承ります。
お気軽にご相談ください。