コラム

【海外渡航の切り札】ワクチンパスポート

2021.09.29[VISA]




【ワクチンパスポートの運用がスタート】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
東京オリンピック/パラリンピックは
大きなトラブルもなく、無事終了しましたが、
新型コロナウイルス感染の影響は大きく、
海外への渡航やもちろん、
都道府県をまたいだ移動の自粛要請など、
私たちの生活に引き続き厳しい影響が続いています。
※2021年9月現在、
 原則海外からの渡航者の受け入れ不可、
 入国後に隔離期間を設定するなど、
 国ごとに厳しい入国制限がとられています。
 外務省:コロナ禍の状況


そんな中、
ワクチンの接種が各地で進み、
新規感染者数が減少に転じていることや、
緊急事態宣言の9月末解除予定と、
感染収束へ向けた明るい兆しも見えてきました。
首相官邸:ワクチン接種状況

これに加えて、
いよいよ7月26日から、

ワクチンパスポート

の発行がスタートしています。


【ワクチンパスポートとは】

ワクチンパスポートとは、
ワクチンを接種したことを
海外向けにオフィシャルに証明する書類です。
厚生労働省:ワクチンパスポート発行手続説明資料

ワクチンパスポートの特徴としては、

有効期間が無期限
接種1回目/2回目どちらでも発行可能
発行時期を即日/後日で選択可能

紛失した際も、再発行できる

といった点があげられます。




【海外渡航のための「証明書」】

なによりも重要なメリットとしては、
ワクチンパスポートの所持を条件に、
入国許可や入国後の期間隔離の免除など、
水際措置を免除・緩和してもらえる

ことです。

日本では以前から、
「接種済証」や「接種記録書」
という書類は、存在していました。
これらの書類は、
都道府県をまたいだ移動
イベントの開催
会場入場規制緩和

を目的に、活用されています。
最近では、
ロックバンド主催のライブの
入場条件として、話題になっていました。
B'z主催ライブ”UNITE”入場時の接種証明提示

<厚生労働省:接種済証イメージ>

<厚生労働省:接種記録書イメージ>


これに対して、
ワクチンパスポートは、
海外渡航のため
に利用する書類として発行されます。

海外では、
国外渡航者を積極的に受け入れる国があり、
その中の一部の国に入国する際、
このワクチンパスポートの提示によって
入国における制限が緩和されます。

ただし、
渡航先の国によっては、
現在の日本のワクチンパスポートを使って
公共施設や飲食店などの立ち入りに
使用できるという保証がありません。


たとえば、
現在フランスで導入されている
「衛生パス(Pass Sanitaire)」は、
特定の国や地域に対しては
別途QRコードなどで
証明書を取得する必要があります

在日フランス大使館:衛星パスの案内

また、
日本のワクチンパスポートは
その運用がスタートしたばかりであり、
そのさらなる用途や運用について、
引き続き議論がなされています

経団連:ワクチンパスポート早期活用の提言

こういった経緯から、
ワクチンパスポートを持っていない
としても、
一定期間の隔離措置などのステップ
をふめば、
海外の国への入国は不可能ではありません

※日本では、
 ワクチンパスポートの有無に関わらず、
 日本人を含む全ての入国者に
 「出国前72時間以内の検査証明書提出」
 「入国後14日間の隔離」

 を義務付けています。
 ⇒外務省:入国条件及び行動制限措置





【ワクチンパスポートが使える国】

2021年9月17日現在、
日本のワクチンパスポートは、
以下の34か国で使用可能です。


ワクチンパスポートの効力は
国によって異なりますが、
 
出国前のPCR検査免除
入国時のPCR検査免除
入国後の隔離期間が短縮or免除


といった措置緩和が中心になります。

ちなみに、韓国では、
日本のワクチンパスポートが
隔離免除書発行に必要な書類のうちのひとつ
「予防接種証明書」として認められますが、
9月以降に日本から韓国に入国する場合は、
隔離免除は適用されません。

これは、
韓国が指定する変異株流行国に
日本が追加されたため

です。
※各国の措置内容は
 予告なく変更となる可能性があります。





【ワクチンパスポートの申請】

ワクチンパスポートの発行申請は、
ワクチンの接種を受けた自治体に向けて、
必要書類を提出のうえおこないます。
申請方法については、
窓口で直接、郵送、オンラインなど、
各自治体によって様々です。
厚生労働省:海外渡航用のワクチン接種証明書

パスポートナンバーと
ワクチンパスポート上の旅券番号は
一致していなければならない

ので、
有効期限内のパスポートを所持
していることが必要です。
ワクチン接種券は
「予診のみ」と記載された部分
を用意します。

申請後、
自治体で接種記録が照会され、
A4サイズの偽造防止用紙でできた
ワクチンパスポートが発行されます。

<厚生労働省:ワクチンパスポートイメージ>

※発行日数は自治体によって異なります。
※将来的には紙発行ではなく、
 デジタル化を目指すとされています。


ワクチンパスポートは
1回目の接種だけでも申請・発行できますが、
日本国内で承認されているワクチンは
2回の接種が必要

であり、
1回目だけの接種証明は
渡航先で有効な証明書としては
認められない可能性がある

ことにご注意ください。


【コロナへ立ち向かう盾となるか】

ワクチンパスポートは
コロナ禍、
また今後のウィズコロナにおいて、
ビジネスや生活に欠かせないツールとなっていく

であろうと考えています。

ワクチンパスポートの
発行対象や用途などはかぎられ、
使用可能国は今後も増えることが予想されます。
したがって、
現在渡航したいと思っている国が
使用可能国にリストアップされていないとしても
出発直後に追加された
となる可能性も十分にあり得ます。
今後、
海外への渡航をご希望や予定のある方は、
渡航先の国に関わらず
ワクチンパスポートの取得をおすすめします。

WINDS行政書士事務所は、
各種水際対策や渡航先の国の
最新情報をキャッチして、
ワクチンパスポートの発行申請をはじめ
この時期の渡航や外国人の皆さまの入国を
安心安全におこなえるよう、サポートを承ります。
是非ご相談ください。