コラム

持続化給付金の対象が広がります

2020.06.03[事業支援]




【持続化給付金の支給を受ける対象が増えます】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
コロナウイルスの感染拡大により、
売上がダウンした事業者向けの支給がスタートした、
「持続化給付金」
先月の運用開始からはや1か月経ちましたが、
給付対象の皆さまは、申請をお済みでしょうか。

※以前のコラムでも、持続化給付金についてご紹介しておりましたので、
 ご参考ください。

 持続化給付金
 持続化給付金の申請開始

この、「持続化給付金」
経済産業省は5月22日、
給付金の対象範囲を拡大することを公表しました。


【追加対象者とその要件】

経済産業省が発表している、持続化給付金の支給対象は、
次のようになります。


まず、

2020年1月1日~3月31日までに開業・創業した
法人(中小企業)や個人事業主・フリーランスの方


にも、給付が受けられることになりました。

また、これまで、

「雑所得」や「給与所得」として確定申告をしていた場合でも
事業を経営しているとみなされる場合は、給付対象に含まれる


こととなりました。
この場合、
事業の実態が確認される書類として、発注元が発行する、
「業務委託契約書」「源泉徴収票」が必要になります。


【今年(2020年)開業した人の給付条件】

2020年に開業・創業した方の場合、
2020年開業月~3月までの売上の平均を、
2020年4月~12月のいずれかの月の売上と比較
します。

比較した結果、
50%以上売り上げがダウンしている月があれば、給付の対象
となります。

今年(2020年)1月に開業した事業者をモデルに、
計算のシミュレーションをしてみます。



まず、2020年1月~3月の平均売上を計算します。
⇒(\150,000+\70,000+\20,000)÷3=\80,000

この、平均売上の\80,000を、
2020年4月~12月の各月の売上と比較していきます。
比較した結果、
50%以上売り上げがダウンしている月があれば、
給付の対象月に選ぶことができます。
⇒4月の売上=\10,000が、
 2020年1月~3月の平均売上と比べて50%以上売上ダウン
 ⇒対象月を4月とする
※事業主側で50%以上減少した月を選択できますので、
 売上が50%以上ダウンしている月が複数ある場合は、
 よりダウンの幅が大きい月を選べば、
 給付金も上限額の範囲まで、多く受け取ることができます。



【受け取る給付額】

持続化給付金の給付額は、

法人で最大200万円
フリーランスを含む個人事業主の方は、最大100万円


です。

また、受けとる給付金は、
事業の収入源を補填する目的で支給されるものとして、
所得税の課税対象となります。
※給付を受けた結果、収支が黒字となる場合は、納税義務が発生します。
給与所得で申告している場合、雑所得とは課税の取り扱いが変わるため、
 別途申告が必要な可能性があります

※追加対象者が受け取る給付額の算出方法は、
2019年開業者が適用となる、
新規開業特例と同様となるのではないかと予想しています。



【追加対象者の申請開始時期】

追加の給付対象者の申請受付開始時期は、
6月中旬の予定

との報道がなされています。

経済産業省は、

「提出する書類が増えるため、
 今よりも確認の時間がかかるが、
 できるだけ早く支給できるようにする」


とのコメントを残しています。

提出しなければならない書類の内容が少し増える、
または内容が変わる可能性があり、
申請件数が多くなる分、
申請してから、給付を受ける期間も長くなるのではないかと考えています。


【新規開業者がほかに活用できる制度はあるのか】

そのほか、2020年に開業や創業した事業主の皆さまが、
持続化給付金のほかに活用できる、国の支援策があります。

①融資
日本政策金融公庫で運用されている融資制度を確認してみましょう。


新型コロナ対策で実質無利子・無担保での緊急融資である、
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は、
審査が数週間程度、申し込み翌月には融資額を受け取ることができ、
対応スピードも融資上限額も、非常に手厚いものです。
しかし、この融資は、
前年度と比較した売上の減少が条件となっていますので、
残念ながら、2020年開業者の皆さまは、利用することは難しいと考えます。
※民間金融機関や地方自治体による新型コロナ対策融資についても、
 審査は非常に厳しいと考えます。


また、「セーフティネット貸付」は、
売上減少の実績がなかったとしても、
今後の影響が見込まれる場合に、融資を受けることができます。
しかし、
開業以来、売上が立っていないという場合は、審査が厳しく
こちらも、2020年開業者の皆さまは融資を受けることが難しい
といった結果が見受けられます。

一般的な制度としての「新創業融資」は、
新事業をスタートするため、
または事業スタート後に必要となる、
設備資金と運転資金のサポートを目的とするものです。
これについては、
2020年から起業してまだ売上が立っていなくても、利用が可能です。
日本政策金融公庫の融資制度一覧

現在、日本政策金融公庫では、
新型コロナ特別貸付の申し込みが殺到している
ため、
創業融資の審査期間も通常より長引いているようです。
当事務所でも情報提供をさせていただいておりますので、
お早めにご検討ください。

②補助金
一般的な補助金としては、
経済産業省(中小企業庁)の「持続化補助金」があります。
「持続化給付金」と名前が非常に似ていますが、まったく別の制度です。
この補助金は、
小規模事業者が経営計画を作成して、販路開拓等の取り組みをサポートする補助金です。
※小規模事業者とは、
 製造業その他で従業員20人以下、
 商業・サービス業で従業員5人以下と定義されています。


この補助金では、
「通常枠」に加えて、
補助上限が引き上げられた「新型コロナ対応の特別枠」
も用意されています。

補助金の使い道としては、

非対面販売のためのホームページの作成・改良
店舗の改装
チラシの作成
広告掲載


など、幅広く利用できます。



さらに、事業再開枠ももうけられ、募集が4回に分かれており、
随時、応募が可能です。
早めに情報をご確認のうえ、申請をご検討ください。
独立行政法人 中小企業基盤整備機構ホームページ

緊急事態宣言は解除され、
東京都ではロードマップにしたがって、
休業要請の解除が進められていますが、
コロナウイルスの影響は非常に大きく、
普段送っていた生活の見直しをせざるを得ないだけでなく、
想像以上の経済的圧迫も受けていらっしゃる方が多いと想像しています。

各事業者の皆さまは、
非常に苦しい状況に置かれていることと思いますが、
現在の国や自治体の制度は、層が厚くなっており、
申請要件を満たす可能性が大いにあります。
事業継続に向けての光を大切にしていただき、
是非、各種制度の活用をご検討ください。

WINDS行政書士事務所も、皆さまの事業の発展のお力になれるよう、
精いっぱい、サポートをさせていただきます。