コラム

【2026年4月適用!】自転車『青切符』ルールと企業リスク管理

2026.04.08[事業支援]




【MAX12,000円?!自転車青切符時代の到来

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
2026年4月1日から、
自転車による一定の交通違反に対して
交通反則通告制度(青切符)が導入され
自転車の交通違反取り締まりが本格化、
私たち日々の業務や日常生活において
自転車取り扱いの意識が大きく変わりました。
特に、​​勤務先である事業者さまにとっては
スタッフの自転車利用によって
実務にも少なからず影響をおよぼすでしょう。

本コラムでは、自転車にも導入された
青切符ルールの内容と赤切符との違い、
事業者の実務上の影響や対策について、
予防法務の専門家が詳しく解説します。




【2026年4月導入!自転車の「青切符」ルール】

通常、自動車などで交通違反をすると
刑事手続きがおこなわれますが、
その違反が重大にいたらない比較的軽微なもの
である場合、違反者は
青切符対象として反則金を納付することで
刑事処分を免れることができます。
この仕組みを、交通反則通告制度といいます。

<警察庁:青切符ルールとは>


この青切符ルールが、
2024年5月に成立した
改正道路交通法によって
2026年4月1日から
自転車にも導入

されました。
今後は自動車と同様、
自転車違反に対しても
明確&厳格なペナルティが設けられた

ことになります。

青切符とは、
交通反則通告ルールに基づいて
16歳以上の者による
一定の比較的軽微な交通違反発覚
の際に反則行為と定義付け、
納付を求められる反則金告知書を指します。
その違反行為は、
じつに113種類と多岐に渡ります。


※違反時に発行される
 交通反則告知書という書類がブルー
 であるため、こうした通称が付いています。
警察庁:自転車の反則行為
※16歳未満者の自転車違反行為に対しては、
 原則青切符の交付ではなく、
 警察官による指導警告がなされます。


<青切符>


青切符手続きは、

警察と違反者双方の負担低減
スピーディな違反処理
効果的な自転車関連事故抑止


といったねらいから、

対象違反行為に対して
指定期限内の反則金納付で終了


する運用のため、
刑事手続きに進まない=前科がつかない
ことになっています。

対象となる自転車は、
シティサイクル(ママチャリ)
のほか、
クロス/ロード/マウンテンバイク
折り畳み自転車
電動アシスト自転車

など、
道路交通法上定義されている自転車
(軽車両)

となります。
※ペダル付きの電動バイクの場合は、
 原付バイク扱いとして取締対象となります。

ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車(レールにより運転する車を除く。)であつて、身体障害者用の車、小児用の車及び歩行補助車等以外のもの(原動機を用いるものにあつては、人の力を補うため原動機を用いるものであつて内閣府令で定める基準に該当するものを含み、移動用小型車及び遠隔操作により通行させることができるものを除く。)をいう。(道路交通法第2条第1項第11号の2)


自転車にも青切符が導入された背景として
自転車事故の増加が挙げられます。

近年、
自転車事故が占める交通事故は増加傾向
にあり、
自転車乗用中の死亡・重傷事故のうち
約3/4に自転車側の法令違反によるもの

でがあることがわかっています。
また、これら違反者を取り締まる
警察側にも
時間的・手続き的な負担が増大

しており、深刻化しています 。

これまで自転車交通違反は原則、
指導警告票(イエローカード)による指導
or
赤切符による刑事手続き
がおこなわれてきましたが、
指導だけでは自転車交通違反を防げない
また
刑事手続きに進むと煩雑で時間がかかり
結果として不起訴となるケースも多く
違反者に対する責任追及が不十分

な実態が課題でした。

<イエローカード(交通違反指導警告書)>


<赤切符(出頭命令書)>


警視庁:自転車関連事故件数推移


これを受け、自転車ユーザーに対する、

 ルール遵守の徹底
 自転車関連事故抑止
 取り締まりの実効性&即効性向上


を目的として、
今回改めて制度導入した形です。
警察庁交通局:自転車ルールブック

反則金対象となる113種類の違反行為、
そして反則金額は、以下のとおりです。
自転車に乗ったことのある方なら
ついうっかりやりがちと思われる内容
があるかもしれません。
これまで注意や指導までであった行為でも
今後は反則金対象となることに注意が必要です。


e-Gov:道路交通法施行令
※公安委員会遵守事項は
 各自治体の公安委員会で定められています。


これらカテゴライズされた違反行為でも
実際に重大事故になった/なりかねない
など、交通の危険を発生させた場合は
青切符ではなく、赤切符対象

となってしまいます。

一方、
比較的軽微な違反行為については、
これまでと同様、
乗車現場での指導警告が実施される
とされています。


ちなみに、
赤切符対象となる違反行為は、

飲酒/酒気帯び運転
妨害運転
実際に交通事故を引き起こした重大違反行為


となり、
もし起訴され、有罪と確定すれば、


5年以下の拘禁刑or100万円以下の罰金
に処せられ、前科がつく


さらに重大事故となれば、


過失致傷・重過失知将など別の刑事責任
に問われる


ことにもなりかねません。
※飲酒/酒気帯び運転の関与者
 (酒類提供者や同乗者など)も
 ペナルティ対象となります。





【責任が違う!?「青切符」と「赤切符」】

青切符と赤切符。
このふたつは
制度上どのように違うのでしょうか。
それは、

ペナルティの種類と重さ

です。

青切符は原則、
比較的軽微な交通違反に対して交付され、
検挙された乗用者が反則金を納付することで
手続きが終了します。

これに対して赤切符は、
重大・悪質な交通違反に対して交付される
出頭命令書で、
刑事事件として扱われます。
起訴され裁判の結果、有罪が確定すると
刑事罰に処せられ前科がつく
ことになり、
自動車運転免許証の取り消し
ゴールド免許でなくなる

などの付随ペナルティも重なります。

<警察庁:青切符と赤切符>


ペナルティとしてお金を支払うことは
同じであっても、
刑事事件と扱われ裁判ルートにのるかどうか
が、最大の違いと言えるでしょう。


※赤切符による罰金額は
 違反行為の種類で異なります。

※赤切符対象の重大違反については
 行為者が16歳未満であっても
 刑事事件として扱われることがあります。





【検挙・青切符交付後の手続き】

自転車への青切符導入によって、
自転車交通違反に対する警察の手続きが
変わります。
もし自転車の反則行為が発覚、検挙された場合、
以下の流れで手続きが進みます。


警視庁:自転車指導啓発重点地区・路線

<警察庁:自転車指導啓発重点地区・路線公表例>


青切符が交付されるのは、
違反行為によって重大な危険が生じた場合
警察官の警告を無視して違反を続けた場合

です。

警察から青切符の交付を受けたら、
交付翌日から7日以内に反則金を仮納付
しなければなりません。
※期限日が土日祝日や年末年始にかかる場合は
 当該日後の平日が期限日となります。


ちなみに制度上、
反則金の支払いは任意とされており
ルール上、納付しないという選択肢も
あるのですが、
期限内に反則金を納付しなかった場合
今度は刑事手続きに移行

し、今度は赤切符がきられます。
それでも未納付や出頭しない状態が続けば
検察官による起訴を経て
裁判で罰金刑などの刑事ペナルティ
が科され、前科がつく可能性が高まります。

<警察庁:自転車取り締まりの基本的な考え方>


<警察庁:検挙対象の悪質・危険な違反>


さらに、
青切符がきられた違反行為や
重大な行為を3年以内に2回以上検挙
されると
青切符や赤切符の処分とは別に
安全運転の重要性再確認や再発防止
を目的とする、

自転車運転者講習の受講が命じられます。
この講習は、

対象年齢14歳以上
有料(6,000円程度)、3時間受講

となっており、

命令に従わず受講しなかった場合は
50,000円以下の罰金

が科されてしまいます。


<警察庁:自転車運転者講習>





【事業者になぜ?なんの関係あるの?青切符ルール】

自転車は
私たちの日常使用ツールとして定着し、
あらゆる時間、場所で見かけます。

当然、ビジネスにおいてもスタッフが、

自転車通勤している
営業や取引先への訪問、配達などで
自転車を利用している
社名入りの制服や自転車で外回りをしている


などのシチュエーションが十分に想定されるなか
たとえば、

営業ご担当者が走行中に
スマホでGOOGLE MAPを見ながら
取引先のオフィスに向かう
訪問スタッフが急ぐあまり
一時停止しないで交差点を通過する
配達業務でノイズキャンセリングのイヤホン
を付けたまま走行する


などのヒヤッとするケースも、
現場では決して珍しくありません。

自転車の交通違反そのものは
スタッフ個人の行為ですが、
そのためもしも
通退勤や業務中に交通違反が発生したとき
事業者として
なんのルール整備や注意喚起もしていない場合、
反則金納付だけの問題に留まらず、

業務中の交通事故発生
取引先や近隣住民からの苦情
SNSなどの拡散による社会的信用低下
管理体制不備を問われる社会責任


につながるリスクがあります。

特に、

事業者(上司含む)から
指示・命令を受けた業務の一環として
自転車を使っていた


という事情がある場合、

事業者として事前に何か講じていたか

が問われるため、
事業者にとっても決して他人ごとではない
ことがわかりますね。




【事業者必見!実務上の注意点】

法改正から4月に導入された
自転車への青切符において
事業者の皆さまが実務上対応すべきことを
行政書士目線から3つ、ピックアップしました。

①自転車利用実態の把握
事業者がまず着手すべきことは、
スタッフが実際に自転車を利用しているか
その利用用途はなにか

を把握することです。

実務上、事業者として
スタッフが自転車を使っていないと考えていても、
実際には現場判断で使われてた
などのケースも少なくありません。
まずは、

自転車通勤のスタッフ数
業務中近距離範囲内で自転車利用の有無
私物自転車を業務利用しているか
シェアサイクル利用常態化状況


などをリサーチのうえ、
全社での利用実態の見える化
が対応のスタートと考えます。

②社内ルールの明文化
①で実態を把握し、事業者が次にすべきことが、
スタッフの自転車利用に関して
社内ルールを整理、明文化することが
非常に重要です。

ルール化においては、警察が定める事項である、

ながらスマホ禁止
イヤホン・傘差し運転禁止
信号・一時停止・通行区分の遵守
夜間や暗い場所でのライト点灯
業務利用時の事故・違反発生時の報告義務
防犯登録、自転車保険加入の確認
整備不良車両使用禁止



「気を付けてください」
などの口頭注意だけで済ませることでなく、

就業規則
通勤規程
自転車業務利用ルール
誓約書
社内通知


などで文書化、事業者基準を明確に示すことが
自転車交通事故予防にも、
万が一の際の説明責任にも、役立ちます。
シェアサイクルの使用を許可している場合は
その手当や立替処理を賃金規定に反映する
ことも大切でしょう。

③自転車利用ルールの周知徹底
今回のような法改正に伴う対応において
見落とされがちなのが、

ルール整備&作っただけでは
現場に定着しない


という点です。

特に自転車は免許が必要ではなく
手軽に利用できることもあり、
運転しているという意識が自動車ほど強くないため

歩道は別に通ったっていいんでしょ?
スマホ一瞬見てた(持ってた)だけじゃん
イヤホン片方しかしてないんだけど?
今までダメって言われたことなかったし


など、
乗車ルールについての誤解も多く見られます。

これにおいて有効な対応策が
制度説明に加えて、

現場で発生しやすい具体例をまじえた
周知・研修実施


です。

事業者では部署が分かれている場合は
対象者のカテゴリーに合わせた内容分け
たとえば、

総務・人事ご担当者向け
⇒会社としてなにを整備すべきか

現場社員向け
⇒自転車利用でのNG行為
 詐欺行為への注意喚起

管理職向け
⇒事故・違反発生時の初動対応や
 社内外への影響


をおこなうことで、
リアルに実務に落とし込みやすくなります。
※青切符を悪用した詐欺事件が
 発生しています。
 ⇒
中国新聞の記事




【安全運転、適切な利用周知でスタッフも会社も守る】

2026年4月から導入スタートした
自転車の青切符運用で、
取り締まりが厳格化したわけではなく、
違反行為に対するペナルティが
よりはっきりわかる、見えるようになりました。
事業者の皆さまにとっては、
実務管理、そして予防法務が問われます。

通勤や営業、所用などで
毎日のように自転車に乗るスタッフさまも
多いはずです。
制度スタートした今だからこそ、
ルール内容を正しく把握し、
後手に回る前に社内対策をスピーディにおこなうことで
組織もスタッフも守ることができます。

WINDS行政書士事務所では、
企業・事業所さま向けに
自転車利用に関する社内規程類整備や
社内文書作成、
研修やセミナー実施対応をおこなっております。
自社でどこから手を付けるべきか分からない
という場合も、まずは
現状に合った対応が必要かご確認、ご相談いただけます。
総務・人事・管理部門のご担当者さまは、
お気軽にお問い合わせください




 
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