コラム

就業難の外国人向け特例措置

2020.05.08[VISA]




【解雇や自宅待機に苦しむ外国人への追い風】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。

新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言は、
5月31日まで延期が決定しました。
5月14日を目途として、再延長の可否が決まるという報道もなされています。

先月より、旅行業や宿泊業、飲食業などを中心に、
多くの企業の業績が悪化しているという報道も
頻繁に目にするようになりました。

これにより、都市部に限らず、全国の事業者、企業の皆さまが、
オペレーションの修正や整備を余儀なくされていらっしゃいます。
事業者、企業の方針により、
勤務先を解雇された方や自宅待機が続く方、
内定先への入社が延期になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

在留する外国人の従業員や内定者にも例外ではなく、
同じような環境におかれている方が多くいらっしゃると予想しています。

雇用先の倒産や業務縮小などによって、
自己都合ではない要因で解雇や雇い止めなどを通知され、
経済的に困難な状況におかれてしまった外国人に向けて、
4月30日、出入国在留管理庁から、新たな特例措置が公表されています。



【就業難外国人への特例措置】

今回新たに公表された特例措置によって、
新型コロナウイルスの就労VISAを取得している外国人は、

 「特定活動」VISAへの変更
 「資格外活動」=アルバイト


が認められる可能性があります。

 出入国管理庁の発表⇒こちら

実はこれまでにも、同様の措置はとられてきていましたが、
今回、新型コロナウイルス対策として、

 どのような就労VISAでも対象
 期日などの大幅な緩和


など、措置を受けるための要件がカスタマイズされています。
困難な就業環境におかれた外国人の皆さまにとっては、
非常にサポート範囲が広い措置に変わっていることに注目したいところです。

特例措置の対象となる外国人は、以下の要件を満たす者となります。

※上記①②③に準ずる要件がある外国人も、
 今回の特例措置の対象となり得る余地があります。


対象の外国人が受けることができる特例措置は、次の4点です。

1.現在持っているVISAでの在留継続OK
従来は、失業後に就職活動を行う場合、
在留目的に合わせた別のVISAに変更しなければなりませんでしたが、
現在取得しているVISAのまま、
在留期限までの在留が認められる
ようになりました。

2.アルバイトOK
失業後の求職活動や、雇用先の指示による自宅待機の間、
「資格外活動」VISAを取得して、アルバイトができる可能性が高くなりました
「可能性が高くなりました」とご紹介しているのは、
無条件で認められるわけではなく、
以下※印のような証明や同意が必要であるためです。

※この許可の申請をおこなう場合は、
 雇用先の都合で解雇や雇い止めとなっていることの証明が必要です。
 待機期間中or勤務短縮期間中にある場合は
 勤務先によるアルバイトについての同意が必要です。

また、アルバイトができる期間は、
資格外活動許可から6か月間⇔在留期限
どちらか早い方

までです。
※留学生と同様、単純労働を含めて週28時間以内の就労が認められます。

3.在留期限到来後も6か月間在留OK
現在取得しているVISAの在留期限が過ぎても、
「特定活動」VISA(就労可)にて、6か月間滞在できる可能性が高くなりました。
※この6か月在留の後も、急激な市場の悪化が収束していない場合は、
 さらに6か月の更新が認められる可能性があります

資格外活動=アルバイトも許されます
 その場合、雇用先の都合でそういった状況にあることの証明が必要です。


4.在留期間更新要件の緩和
在留期限が到来する時点で、

勤務先の命令により待機期間が1か月を超えない場合
勤務時間短縮による就業者の勤務時間が、待機時間を上回っている場合


は、
現在取得しているVISAのままで、
在留期間を1年間更新することができます

※新しく勤務先が決まった場合、
 改めて、就労VISAのための許可を得なければなりません。
 転職先が決まっても職種によっては認められない可能性があります。



【外国人の就業困難を解消できます】

優秀で、スキルがあっても、
勤務先都合で困難な状況におかれてしまったという、外国人の皆さま。
また、そのような外国人と関わるがあるという皆さま。

これまでにない経済悪化により、困難な状況が続いていますが、
国からの救済措置は、少しずつ内容が幅広く、
充実した内容に展開されていっています。
困難と思われる状況においても、少しずつですが、光の差す方向は増してきています。
お困りごと、ご相談ごとがある場合は、ギリギリのところまで悩まず、
どうぞVISA申請の専門家に、安心して任せてください。

今回ご紹介しているもの以外でも、
コロナウイルスによる救済措置がございます。
以前のコラムにて掲載しておりますので、ご参考ください。
 「入国拒否拡大と再入国措置」⇒こちら
 「技能実習生向け特例措置」⇒こちら
 「異業種への再就職」⇒こちら

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タイムリーに皆さまと共有し、
VISA申請面から、引き続きサポートをさせていただきます。