【育成就労の強力なサポーター】監理支援機関
2025.11.12[VISA]

【新制度「育成就労」のサポート機関!】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
2027年4月の本格導入に向けて
カウントダウンが始まっている、育成就労。
現行制度の技能実習では
実習生と実習機関をサポートする
監理団体(協同組合)
という機関が存在しますが、
育成就労では、
監理支援機関
というサポート機関が認められます。
この機関に求められる要件や資格は
監理団体とは似て非なる方針がとられます。
今回のコラムでは、
監理支援機関の要件やその役割、
機関に登録されるための申請や
サポート業務における注意点などを
解説します。

【育成就労監理支援機関とは】
育成就労監理支援機関とは、
育成就労制度における監理型育成就労において、
外国人育成就労外国人や
受入機関となる事業者(育成実施者)
を監理・支援する機関
を指します。
※育成就労のグランドルールについては、
過去のコラムで解説しています。
⇒【廃止の技能実習を受け継ぐ】新制度「育成就労」
⇒【2027年施行!どうなる?】育成就労の対象分野と職種
2年後に廃止となる
技能実習制度における監理団体(協同組合)
に近いポジションとなりますが、
厳格な登録&運営要件と
サポートと監督の両立が最大重視
されるよう業務範囲が充足され、
監理団体よりも
さらなる透明性や適正性が求められます。
ちなみに現行の技能実習制度で
制度統括を担う外国人技能実習機構は、
育成就労制度のもと
外国人育成就労機構として改組され、
労働基準監督署や地方出入国在留管理局
と連携して
監督指導機能や支援・保護機能が強化
される予定ですので、
監理支援機関に対しても
コンプライアンス上
これまで以上に高いレベルの対応
が求められることになるでしょう。
<出入国在留管理庁:関係機関相関イメージ>

根拠法律である育成就労法においては、
監理支援機関を次のように定義しています。
要件に関わる重要なキーワードが
散りばめられているのがわかりますね。
第23条第1項の許可を受けて監理支援を行う事業を行う本邦の営利を目的としない法人をいう。
(育成就労法第2条11号)
監理支援機関の役割は、
育成就労外国人の就労&在留生活
そして
受入事業者(育成実施者)の
適正な受け入れ&雇用
の監理とサポート
です。

育成就労における留意事項として
ご紹介しておきたいのが、
日本語教育の強化サポート
です。
育成就労外国人は、
日本入国時点で一定の日本語スキル
が求められ、
さらに特定技能への移行を目指して
スキルアップが望まれます。
監理支援機関はこの日本語スキルを強化すべく、
- 定期の日本語レッスン実施(外部の教育機関と連携OK)
- 日本語スキル試験(JLPT、JFT-Basic)や受験
- 業界・業種・職種実務専門用語習得
- 学習進捗管理&評価
といった教育面のサポートを引き受けます。
※育成就労外国人が日本入国時に
その日本語スキルが一定レベルに達しない
場合は
入国後に認定日本語教育機関で講習
を受けなければなりません。
育成就労外国人は、
同一事業者で1年以上の就労があれば
外国人本人の意向を条件に
転籍が可能
となりますが、
この育成就労内の転籍、
そして最終目標である
特定技能へのスムーズな移行目的
といった広い条件範囲で
- 転籍希望者向け有益情報(求人情報、転籍手続き)の提供
- 転籍先機関との連絡調整
- 育成就労計画変更手続き
- 転籍後のサポート体制継続
などのサポートという重要な役割も担います。
※受入機関が主体運用
(=監理支援機関に委託しない)
である単独型育成就労の場合は
監理支援機関は関与しません。
※転籍ルールについては、
こちらのコラムで
詳しくご紹介しています。
また、監理支援機関は
育成就労職業紹介事業
をおこなうことができます。
通常、職業紹介事業をおこなうためには、
職業安定法上の許可が必要ですが、
育成就労ルールにしたがった特例措置として
監理支援機関だけは
登録によってこの事業が認められます。
ただし、
日本人や育成就労外国人以外の
職業紹介はできません
ので、注意しましょう。
※e-Gov:育成就労法第27条
※東京労働局:有料無料職業紹介事業許可申請

【監理支援機関の要件】
監理支援機関の登録とその事業活動は
主務大臣のもと、
出入国在留管理庁長官による許可制
となるため、
監理支援事業をおこなおうとする者は
厳格な基準をクリアし、
無事に許可を受けてから初めて
監理支援機関としての監理支援事業がおこなえます。
ここで説明している主務大臣とは、
育成就労という制度上、
法務大臣、厚生労働大臣、外務大臣
といった複数大臣が挙げられます。
監理支援を行う事業(以下この節、第109条第1号及び第112条第1項第11号において「監理支援事業」という。)を行おうとする者は、主務大臣の許可を受けなければならない。
(育成就労法第23条)
気になる許可要件は、おもに次の7つです。

※e-Gov:育成就労法第25条
①欠格事由に該当しない
監理支援機関は、
欠格事由に該当しない
ことが求められます。
具体的な欠格事由としては、
- 罰金刑に課せられ執行猶予から5年未満
- 許可取り消しを受けたor廃止届出から5年未満
- 違法・不正行為発覚から5年未満
- 役員が拘禁刑以上&執行猶予5年未満
が挙げられます。
※e-Gov:育成就労法第26条
②営利団体でない
監理支援機関は、
原則、日本国内にある非営利法人
でなければなりません。
育成就労法上、
監理支援機関に登録できる法人は
次のとおりです。
原則営利目的でないとされていますが、
株式会社などの営利法人も
条件を満たすことで監理支援機関に登録可能
となります。

③事業を適正に遂行するに足りる能力がある
現行の技能実習制度では、
監理団体の夜間・休日対応や
母国語対応が不十分など、
サポートのサービスレベルが劣悪
とされる事例と指摘が多く、
体制の見直しが不可欠とされていました。
たしかに、
支援担当者が少なすぎると
ひとりの対応範囲が広くなり過ぎて
十分なフォローができない
懸念があり、
受入機関も外国人も不安になりますね。
これを受けて監理支援機関には、
そのサポート業務における
適正な遂行能力が求められ、
機能が十分に果たせなければ許可しない
と明示されています。
そのため、
職員の配置や相談対応といった
機関体制がマストとなります。
具体的な要件としては、
次のようにフルタイム役職員数
が義務付けられるなど、
現行制度からブラッシュアップした
事業規模の足切りラインが設定されます。

※e-Gov:育成就労法第25条1項2号
この役職員数は
最低限ここまでとしてほしいという
意向設定であり、
必ずしも上限とは定義されていません。
要件の証明するための書類としては、
社内規程や役職員経歴書
が該当するでしょう。
ちなみに監理支援機関は、
受入機関と密接な関係のある役職員を
受入機関に対する業務に関わらせるのはNG
とされ、
もしも
監理支援機関が
サポート業務を他に委託する場合は
その委託先は登録支援機関に限る
とされています。
④事業を健全に遂行できる財産的基盤がある
監理支援機関が
③のような遂行能力を備え
事業を維持していくためにはやはり、
安定した財産基盤が欠かせません。
機関の財産状況としては、
直近年度で
期末純資産が債務超過していない
ことが大切でしょう。
その証明書類としては、
登記簿、直近2事業年度の決算書
(貸借対照表、損益計算書or収支計算書)
などが求められるでしょう。
⑤個人情報の適切な管理&
秘密を守るための必要措置を講じている
現行の技能実習制度と同様、
監理支援機関として
育成就労外国人や受入機関役職員などの情報は
適切に管理するとともに、
守秘義務が課せられます。
監理支援機関の
業務運営関連規程や個人情報適正管理規程
事業運営体制図(組織図)
支援担当者含む職員向け教育・研修実施記録
などの書類で、
こうした証明をすることになります。
⑥外部監査人を選任している
現行の技能実習にはないルールとして、
監理支援機関は
独立性の高い外部監査人
の選任と設置が義務
となります。
不正や不適正な育成就労を未然防止
が期待されています。
外部監査人は、
コンプラアンスと客観的実施状況確認
の必要性から
誰でもなれるわけではなく
=監理支援機関内でも選任NG
外部監査の資格を持つ専門家
(弁護士、行政書士、社労士など)に
就任を依頼することが必要です。
※選任された
外部監査人の名前は公表されます。
監理支援機関になろうとする者は、
登録申請準備の早い段階で
育成就労外部監査人を選任し契約締結
することをおすすめします。
※当事務所では
外部監査人をお引き受けしています。
⇒こちらまでご依頼ください。
⑦外国の送り出し機関との間で
取次ぎに係る契約を締結している
現行の技能実習制度では
実習生が日本入国までに
手数料や事前研修費、渡航費などからなる
多額の借金を背負い、
不当に高額を送り出し機関に支払う
などの負担が散見され、
まさに奴隷という表現も過言ではない
ような扱いを受けてきた事例が頻発、
結果として
実習機関間のトラブルや実習生の失踪など、
制度上の不利益が問題化していました。
これを受けて
育成就労ルールでは、
送り出し国との二国間協定(MOC)
を作成し、さらに、
要件を満たす送り出し機関だけを相手にした
適正な委託契約の締結
が必要といった
悪質な送り出し機関を排除する仕組み
の策定構想があり、
監理支援機関にもこの要件を
厳格に求められます。

【監理支援機関の登録申請】
主務大臣の許可制となるため、
監理支援機関をおこなおうとする者
はサポート業務をおこなう前に
登録申請をおこない、
許可を受けなければなりません。
想定される登録申請手続きのながれを
次のようにまとめてみました。

現行の技能実習ですでに
監理団体の許可を得ている機関も
自動的に監理支援機関に変わるわけではなく
登録許可を受けなければならない
点には、
くれぐれも注意したいところです。
※技能実習制度上
優良監理団体であったとしても
例外なく登録申請が必須となります。
育成就労法で定められている、
登録許可申請の必要書類は次のとおりです。

※e-Gov:育成就労法第23条
<監理支援機関許可兼有効期間更新申請書(案)>

<監理事業計画書(案)>

登録された監理支援機関は原則、
3年以内
さらに優良監理支援機関であれば
5年以内
の登録有効期間が与えられます。
優良監理支援機関へのステップアップ要件
は、詳細ルールにて公表待ちですが、
- 監査で指摘なし
- 安定したサポート実績
- 研修実施率100%
などの設定が協議されています。
現時点で登録申請が可能となる時期は未定
ですが、
現行制度のこれまでのながれを
行政書士の目線で予想しますと、
監理支援機関登録申請の受付は
2026年春から夏までの間にスタート
するのではないかと考えます。

【まだある不明点!詳細ルールいつわかる?】
すでに成立している育成就労法をもとにした
グランドルールをご紹介しましたが、
本コラムをご紹介している2025年11月現在、
詳細ルールである主務省令の公開時期は未定
となっています。
ただし、同法はすでに公布され、
2027年4月1日施行予定で進んでいることから、
監理支援機関の登録申請及び審査時期も考慮すると
詳細ルールは2026年春から夏にかけて公表
されるのではないかと予想します。
<出入国在留管理庁:育成就労法施行までの予定>

行政書士として私は、
次のような点が詳細ルールでどう定められるか
も、注目しています。

また、
ご紹介した要件や手続きをふまえて、
技能実習監理団体(協同組合)
そして
特定技能登録支援機関
と比較してみました。
機関名称も非常に似ていて混同しやすい
ところですが、
各ポイントの違いを
チェックいただけるかと思います。

※特定技能登録支援機関については、
こちらのコラムで詳しくご紹介しています。

【育成就労スタートは2年後!関係者さまは早めの準備を】
育成就労で新たにサポート機関として
認められる、監理支援機関。
「育成支援」「転籍支援」「外部監査」
が三位一体となり、
従来制度以上に公正で厳格、充実した
この新制度を担う存在
となることが使命となります。
その要件やサポート内容は
育成就労法で判明しているものの、
詳細ルールは来年以降になることでしょう。
事業者さまや
監理支援機関就任を予定する法人さま
といった関係者の皆さまは、
運用までまだ時間のある現在のうちに
メインルールを確認のうえ、
要件の取りこぼしがないかのチェック
サポートクオリティを維持するための
リソースやコストの見直し
送り出し教育計画の再整備
といったリスクヘッジをおこない、
登録申請に備えましょう。
WINDS行政書士事務所は
外部監査人、登録支援機関、行政書士
として、
育成就労制度における要件コンサルティングや
監理支援機関登録申請サポートを
お引き受けします。
現行制度の実績に裏打ちされた
ノウハウと知識を、是非ご活用ください。
