技能実習の外部監査
2020.03.25[VISA]
【VISA「技能実習」と監理団体】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
国際貢献のための職業技能の伝授を目的として誕生したVISA、「技能実習」。
その運用がスタートしてから、3年が経過しました。
「技能実習」VISAを取得した技能実習生は、日本の会社と雇用契約をむすびます。
実習実施者である企業が、技能実習生と雇用契約をむすぶには、
①企業単独型=企業が直接雇用契約をむすぶ
②団体監理型=営利目的でない団体が技能実習生を受け入れて実習を行う
のいずれかの方法をとることになります。
もし②の方法を選んだ場合、
海外にある「送り出し機関」と提携して、日本の会社に代わって、
現地での人財募集や職業あっせん、入国手続きを行います。
この技能実習制度を運用していくにあたり、監理団体が監理事業を続けていくためには、
技能実習機構より許可を得ることが必要です。
監理事業の許可を得るためには、
「外部監査人」「指定外部監査役員」
のいずれかを選任し、定期的な監査措置を受けていなければなりません。
【技能実習に外部監査が必要】
技能実習制度に外部監査を行う義務が付くほどの重厚な運用が決められているのは、なぜでしょうか。
VISA「技能実習」は、技能実習生が担う役割や、実習業務の内容は、とても幅広いものです。
そのため、従来の入管法では、この制度に対する法令違反に対応していくことが難しいと考えられ、
技能実習法により、
入管法ではカバーしきれない範囲をしっかり取り締まっていこうという目的が、
背景にあります。
技能実習制度にまつわる法令は、技能実習法のほかに、
運用要領や規則、通達やガイドラインなど、非常に細かく規定されており、
入管法はもちろん、2国間協定や労働法といった法律をも、横断しながら運用をしていくことが重要となります。
そのカバー範囲は、入管法では処罰できなかったものを対応できるほどです。
たとえば、国語辞典を読み込んで理解するために、和英辞典も引いてみましょう、
というほどのボリューム感でしょうか。
【「外部監査人」と「指定外部監査役員」の要件】
「外部監査人」と「指定外部監査役員」は、
ともに技能実習受入企業に対して、監理団体の監理の適切性を監査する役割を持っていますが、
その選任方法や立場は違いがあります。
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律を、
のぞいてみましょう。
第25条
主務大臣は、第二十三条第一項の許可の申請があった場合において、
その申請者が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときでなければ、その許可をしてはならない。
五 監理事業を適切に運営するための次のいずれかの措置を講じていること。
イ 役員が団体監理型実習実施者と主務省令で定める密接な関係を有する者のみにより構成されていないこと
その他役員の構成が監理事業の適切な運営の確保に支障を及ぼすおそれがないものとすること。
ロ 監事その他法人の業務を監査する者による監査のほか、
団体監理型実習実施者と主務省令で定める密接な関係を有しない者であって
主務省令で定める要件に適合するものに、主務省令で定めるところにより、
役員の監理事業に係る職務の執行の監査を行わせるものとすること。
この条文に基づいて、
「外部監査人」=監理団体から選任され、法人や団体内部ではなく、外部から監査を行う者。
「指定外部監査役員」=監理団体の外部役員から指定を受け、法人や団体内部から監査を担当する役員。
という定義がなされています。
「外部監査人」「指定外部監査役員」になるためには、
以下の通り厳しい要件をクリアしている必要があります。
【外部監査における業務】
「外部監査人」「指定外部監査役員」の業務は、以下の通りです。
技能実習制度は、現地から日本に来る技能実習生の環境やプライバシーを守る義務がある反面、
日本の会社の利害も関わってくるため、「監理団体」の利用が安全といえます。
この監理団体の厳しい要件を守り、利用を続けていくためには、外部監査が欠かせません。
WINDS行政書士事務所は、
外部監査の養成講習を修了しておりますので、外部監査人の就任、監査対応が可能です。
技能実習の外部監査につきまして、どうぞお気軽にご相談下さい。