【行政書士法改正】登録支援機関はどこまでできる?特定技能・VISA申請の危険な線引き
2026.06.10[VISA]

【そのVISA(在留資格)申請、本当に大丈夫ですか?】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
2019年の創設以来、
各業界の高齢化や人手不足を課題として
即戦力となる外国人人材を活用する、
特定技能制度。
対象となる特定産業分野の現場では
外国人雇用が当たり前になりつつある現在、
多くの事業者が登録支援機関を活用、
外国人人材の支援を委託しています。
そんななか、最近、
私たち行政書士の間でも話題となっているのが、
登録支援機関はどこまで
VISA(在留資格)申請に関与できるのか
という問題です。
実際、
所属機関となる企業側も登録支援機関側も、
このVISA申請の対応ってどこまでOK?
申請書類を作るのは違法?
入管対応までやって大丈夫?
と悩みながら運用しているケース
が少なくありません。
そして現在、
行政書士法改正の流れの中で、
無資格者による申請関与
への視線は確実に厳しくなっており、
当事務所でも関連のご相談をよくいただきます。
本コラムでは、
登録支援機関と行政書士の役割の違い
を整理しながら、
所属機関が見落としやすい
VISA申請の危険な線引きについて解説します。

【行政書士法改正でなにが問題になっているのか?】
外国人のVISA制度として、
技能実習、特定技能、
育成就労(2027年春施行予定)
といったさまざまな運用が進められ、
日本国内における外国人雇用市場の拡大
が実現できています。
それに伴い、
協同組合(監理団体)
登録支援機関
監理支援機関(育成就労で2027年春運用予定)
人材紹介会社
外国人雇用コンサルタント
といった、
多くの民間事業者が外国人採用分野へ参入
しています。
同時に、問題視されているのが、
行政書士資格を持たない事業者による
VISA(在留資格)申請への関与
です。
行政書士法では、
出入国在留管理局をはじめとした
官公署へ提出する書類について、
作成、代理、相談、判断を伴う業務
を、
報酬を得て反復継続しておこなうことには
制限がかけられています。
つまり、
外国人のVISA申請業務は
誰でも自由に代行できるものではありません。
※行政書士法改正内容とその影響については、
こちらのコラムで解説しています。
特に念頭に置くべきなのは、
近年、出入国在留管理局向けの申請実務は
全般的に高度化している
という事実です。
入管法改正によって各VISAの要件が変わり、
ルール厳格化や必要書類の追加・変更
などが同時並行でおこなわれ、
これまで以上に
計画的なVISA申請と提出書類の精査
が求められています。
※各VISAのルール改正については、
以前のコラムで解説しています。
⇒【閣議決定!4月スタートも!】特定技能ルール改正
⇒【2025年10月改正要件を網羅!】経営者や役員のための「経営管理VISA」
⇒【JESTA&手数料値上げ】2026年3月閣議決定!改正入管法
⇒【4/15緊急スタート!】技術・人文知識・国際業務VISA申請における提出書類追加
そのためたとえば、
技術・人文知識・国際業務や
経営管理をはじめとする、各VISAの要件判断
特定技能VISAの支援適合性
転職時のVISA整合性チェック
VISA更新不許可のリスク対策
などは、
単なる事務処理ではなく、
高度な法的判断が求められます。
だからこそ今、
どこまでが登録支援機関の支援業務で
どこからが行政書士の業務なのか
が改めて注目されているのです。

【登録支援機関=VISA(在留資格)申請できる、ではない】
特定技能における登録支援機関は、
所属機関である事業者から委託を受けて
特定技能外国人に対して支援業務
をおこなう存在で、
具体的な業務としては、
生活オリエンテーション
住居確保サポート
行政手続きの同行
日本の文化交流や日本語学習サポート
相談対応
などを担っています。
※登録支援機関については、
こちらのコラムでもご紹介しています。
ここで誤解されやすいのが、
登録支援機関の支援業務とVISA申請業務は
まったく別のもの
ということです。
行政書士法にてらすと、
登録支援機関は
その業務範囲を超えた
在留資格関連申請書や
様式書類、理由書の作成
許可不許可含めた申請内容の判断
当局への説明対応
などを
報酬を得ておこなうことはできません。
特定技能の登録支援機関はあくまで
特定技能外国人をサポートする機関であり、
VISA申請の代理権が
自動的に付与されているわけではありません。
つまり、
もしも登録支援機関が
これらの行為をして、発覚した場合は、
行政書士法に抵触する可能性があります。

【よくある登録支援機関の「違法運用」】
実際に所属機関から当事務所に寄せられた
登録支援機関の実務対応についてのご相談ケース
を3つ、ご紹介します。
事例①「特定技能支援+VISA込みパック」
たとえば、登録支援機関が、
月額○万円で
外国人のご紹介と採用から
VISA申請まで全部
まるっと対応します
とうたう営業パックで、
最近かなり増えているように見受けられます。
所属機関に対しては
支援委託契約締結の段階で
行政書士法に抵触しないかの
説明が十分になされなかった可能性が高く、
所属機関側でも、
登録支援機関が
全部やってくれるって思ってた
という認識違いから、
契約トラブルにつながったというものです。
法律上、登録支援機関に
許認可申請の代理権は与えられていません。
そのため、
行政書士資格を持たない事業者が
在留資格申請書を作成
理由書を作成
行政書士が1度作成完了した書類を
暗黙のうちに自社で修正し取次
入管当局との対応
不許可となった場合の対応
までおこなっている場合は、
法的リスクが問題
になります。
事例②「サポート」前提で実質VISA申請代行
こちらは事例①とは少し異なり、
支援委託契約上、
受託業務が「サポート」という曖昧で表現
をされていた
前提で、
所属機関や外国人で困ったことがある場合に
外国人本人からヒアリング
要件コンサルティング
申請内容整理&書類作成
入管提出まで実施
といった「サポート」業務を継続しておこない
報酬性をもっておこなわれていたものです。
こちらもおこなっている業務実態としては、
行政書士法違反と判断される可能性があり、
サポートという名目ではなく
実際になにがおこなわれているか
で違法ラインの線引きがなされる
という視点が非常に重要となります。
事例③VISA不許可時に誰も責任を取れない
こちらは
所属機関の雇用計画にも影響がおよび、
深刻なケースと言えます。
VISA変更や更新申請の結果不許可
VISA審査で当局から追加資料要請
特定技能要件を満たしていない
転職後の整合性が合わない
などの問題が発生した際、
登録支援機関内に
行政書士などの有資格者がいない
制度を理解する弁護士や行政書士などの専門家
と連携体制がない
ためにフォローアップをしてもらえない
という事態となり、
所属機関としてどうすべきかがわからず
状況が悪化したというものです。
外国人雇用は、
労務やVISA制度を遵守するために
行政対応や契約実態が密接に関連します。
そのため、
単なる申請書類の作成や提出の代行
というレベルだけで完結するものではない
場面も少なくありません。

【所属機関=企業も十分注意が必要】
登録支援機関で
行政書士法違反の可能性がある行為が
頻発している背景として、
所属機関である事業者側にも共通事実があります。
それは、
とりあえず安い登録支援機関を探して
サポートを委託していた
支援契約において発生する委託費については
所属機関のコストパフォーマンスにも影響
しますので、
適正に判断のうえ、
登録支援機関をセレクトすることは大切ですが、
低報酬の裏返しとして、
不許可
再申請
採用延期
内定取消
外国人離職
などが発生すれば、
結果的に所属機関にとって大きなダメージ
となってしまいます。
特に特定技能の制度運用面では、
当局から
継続的な外国人サポート体制
雇用管理
適法&妥当な支援計画
まで合わせてチェックされます。
行政書士法改正が本格施行された現在、
所属機関としても
安いから全部任せた
全部やってくれるって言われたから
そのまま信じてお願いした
では済まない時代
に入りました。
もし不適切な申請関与が問題化すると、
今後のVISA審査への影響につながりかねません。
特に特定技能制度では、
適正な支援体制そのものが重要視されている
ことを認識することが大切です。

【行政書士に依頼すべき場面】
本コラムで所属機関の皆さまには、
行政書士になにを頼めるか
を知っていただけると
正しい認識で特定技能を活用いただける
と考えます。
行政書士は単に、
書類を作る、書くだけの存在ではありません。
特定技能制度の運用実務では、
全般的なVISAの資格該当性(要件コンサルティング)
更新や不許可リスクの分析
雇用条件との整合性チェック
将来的な永住・家族帯同への影響
まで含めて判断する、
法律上認められた、専門家です。
たとえば、外国人採用において、
特定技能VISAにすべきか
ほかの就労VISAと比べてどうか
転職や2号への移行タイミングは適切か
業務内容変更によるリスクはないか
といった懸念要素によって、
必要な対応や書類が大きく変化します。
つまり、
VISA申請前の設計こそが最も重要
であると言えます。
特に、
外国人を採用するのが初めて
特定技能で登録支援機関に丸投げしている
就労VISAと特定技能VISAの違いが曖昧
従業員のVISAの更新・変更が増えてきた
外国人転職者の採用が多い
過去に不許可歴がある
今の運用が法に触れていないか不安
といったケースに該当する場合は、
私たちのような行政書士に
早めにご相談いただくことがおすすめです。
問題が起きてからではなく、
問題が起きないような事前設計
が、
今後の外国人雇用においては重要になります。


【「支援」と「申請」は違うことを認識しましょう】
登録支援機関は、
特定技能外国人材の受け入れにおいて
非常に重要な役割を担う存在です。
その一方、
特定技能外国人や支援計画のサポート
とVISA申請は、業務として別物
という正しい理解が、
今後ますます重要となっていきます。
行政書士法改正のながれの中で、
外国人雇用分野における業務範囲の適正化は
ますます注目され、
外国人雇用をとりあえずまわしていく時代から、
適法性と継続性を設計する時代
に確実に変わり始めています。
だれが申請するのか
どこまでやると違法なのか
だれになにを依頼すべきか
こういった視点で、
今後特定技能の実務はより厳しく見られていく
ことを見据えてアクションすることが
大切となるでしょう。
もし、
現在の運用が適法か不安
登録支援機関との役割分担を整理したい
不許可リスクを減らしたい
外国人採用体制を見直したい
という場合は、
是非こちらまでご相談ください。
