【2026年実務対応本格化!】改正建設業法で建設会社が対応すべきポイント
2026.05.27[行政書士・業務]

【改正建設業法ルールが本格運用】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
2025年12月に全面施行となった改正建設業法。
この改正は、単なる制度変更ではありません。
建設業界が長年抱えてきた構造問題に対応
するための大きな制度改革でした。
2026年に入り、この改正ルールは
現場でも本格的に求められる年
とも言えます。
特に建設業許可業者にとっては、
これまで通りの運用では
対応が難しくなる可能性もあり、
「知らなかった」では済まされないルール改正
と言えるでしょう。
ウチの会社は小規模だから関係ないかも
と思われるかもしれませんが、
元請・下請を問わず影響が及ぶ内容も
多く含まれています。
本コラムでは、
改正建設業法で押さえておくべきポイントを
行政書士の視点からわかりやすく解説します。

【法改正の背景】
改正建設業法は
2024年6月に成立し、公布され、
建設業界が直面している、
深刻な人手不足や働き方改革
に対応するための重要なものとなっています。
これまでも建設業界は、
インフラの老朽化や災害対応
といった役割を担い、
社会の維持には欠かせない存在ですが、
若手人材不足
高齢化
長時間労働
低賃金構造
資材高騰
など大きな課題が山積みです。
また、
資材価格や人件費は上昇しており、
安価で受注して無理な工期でまわす
という従来の経営スタイルでは
現場を維持しにくい状況となっています。
<国土交通省:建設業法改正の背景>

そんななか、2024年には、
建設業にも時間外労働上限規制が適用
され、
今後は従来のような
長時間労働に依存した現場運営は
難しくなりました。
こうした背景から、
建設業界全体の適正化を進めるため、
建設業法が改正されました。
<国土交通省:建設業法改正概要>


【改正建設業法で特に重要なポイント】
直近の建設業法改正ルールは、
2024年秋から2025年冬までの間、
3段階のステップ施行がおこなわれてきました。
<国土交通省:改正建設業法施行時期>

段階別の施行ルールをまとめると、
以下のようになります。

多くの事業者が年度締めを迎えた
2026年となった現在、
各建設業者の現場や営業実務において
本格的に影響が出るでしょう。
ピックアップした4種類のカテゴリー別に
改正ポイントをチェックしてみましょう。
①処遇改善
今回の建設業法改正では、
技能者の処遇改善
が大きなテーマのひとつとなっています。
これまで建設業界では、
価格競争の激化によって
十分な労務費を確保できない
ケースも少なくありませんでしたが、
極端な安値受注は、
人材不足
若手離れ
品質低下
安全管理リスク増大
につながるおそれがあります。
そこで今回の改正では、
著しく低い労務費による見積もり
にについて、
適正化が図られる方針となりました。
今後は、
安ければ受注できる契約から
適正な労務費を確保した契約への転換
が重要視されます。
また、今回の改正では
標準労務費の考え方も重視されており、
今後は見積もり作成や価格協議において、
適正な労務費水準を意識した対応が
より求められていくでしょう。
<国土交通省:処遇改善>

②資材高騰対策
近年の建設資材価格の上昇が
建設業者の経営に大きな影響を与えているなか、
今回の改正で、
契約前のリスク情報共有
資材価格変動時の契約変更
についてのルール整備が進められました。
たとえば、
鋼材・木材・燃料・設備機器などの価格変動
によって当初の契約内容では対応が難しくなる
ケースもあるため、今後は、
見積・契約条件や価格変動時の対応方法
をより明確にして
資材価格変動リスクへの対応
がより重要になります。
<国土交通省:資材高騰に伴う労務費のしわ寄せ防止>

③働き方改革
建設業界では、
長時間労働や休日不足も長年の課題
となってきました。
2024年からは時間外労働の上限規制も適用
され、
従来のような現場運営が難しくなっており、
今回の改正では、
著しく短い工期による契約
が問題となるでしょう。
無理な工期の設定は、
長時間労働
品質低下
事故リスク
につながるため、
適正工事期間を確保できているか
といった視点が重要となります。
特に元請会社は、
工程管理や下請との調整に
これまで以上に慎重な対応が求められます。
<国土交通省:働き方改革>

④ICT・DX
今回の改正では、
リモート現場管理
ICTを活用した施工管理
デジタル契約
オンライン申請
といった、
ICTやDXを活用した効率化も進められています。
また
一定条件のもとでは技術者配置の合理化
も進められるなど
人手不足対策としても注目されており、
今後は紙と電話だけでの対応は難しくなる
シチュエーションも増えていく
ことが予想されます。
<国土交通省:生産性向上>


【法改正に対して建設業者がやるべきこと】
2025年に全面施行された改正建設業法
に対して
建設業者が法改正に対する
実務上の必須対応を行政書士の視点から5つ、
ピックアップしました。
ご参考ください。
①見積もりの見直し
今回の改正で問題視される
著しく低い労務費による見積もり
は避ける必要があります。
これまで建設業界では、
とにかく価格を下げた受注
利益を削って仕事を請ける
下請けへの負担集中
が少なくありませんでしたが、
今後は、
労務費・原価・利益を適正に見積もり
しなければなりません。
特に近年は
標準労務費の考え方を重視して
実態とかけ離れた低額見積もり
には注意が必要です。
なかでも、
一式見積においては特に注意したいところです。
もちろん工事内容によっては必要ですが、
労務費のほかにも材料費内訳が不明確な場合に
後々のトラブルにつながるおそれもありますので、
可能な範囲で整理・明確化しておきたいところです。
<国土交通省:標準見積書の活用による労務費及び法定福利費の確保>

②契約条件の見直し
改正目的のひとつである
資材価格高騰への対応として
契約書や注文書/請書の内容を見直す
ことも必要です。
近年は、
資材価格の変動が大きく
契約時の見積金額で
工事を進めることが難しくなる
ケースも増えています。
そのため今後は、
価格変動時の対応
工期変更時の協議方法
追加工事の取り扱い
などを契約書上で明確にしておくべき
と考えます。
特に口頭での合意のみで
工事を進めてしまうと
元請・下請間での認識相違を誘発し
トラブルや未払い問題
にもつながりかねませんので、
注意しましょう。
<国土交通省:建設工事請負契約書の記載事項・誠実協議>

※口頭での契約については、
こちらのコラムでも解説しています。
③適正な工期設定
長年問題視され、改正目的にもなった
著しく短い工期
にも対応が求められます。
建設業界では、
人手不足や工程上の都合から
無理なスケジュールで現場が進むケース
も実在します。
しかし、過度に短い工期設定は、
長時間労働
品質低下
労災リスク
人材離れ
につながるおそれもあります。
特に元請事業者は、
下請事業者に無理な工程を押し付けず
現実的な施工期間を設定する
ことが重要です。
また、
天候不良や資材遅延など
現場では予定通りに工事が進まない
ケースも少なくありませんので、
工程表や契約内容について
柔軟に協議できる体制を整えておく
ことも大切です。
<国土交通省:工期に関する基準>

④下請との取引関係見直し
法改正を機に今後重要視される
適正な取引の実現に向けて、
元請事業者は、
不当に低い請負代金
無理な工期
一方的な条件変更
などについて、
これまで以上に注意しましょう。
一方で下請事業者も、
赤字になるけど仕事を請けるしかない
という状況を続けると経営悪化にもつながる
ため、
適正な価格交渉
契約内容の書面化
リスク共有
がこれまで以上に重要になっていくでしょう。
<国土交通省:誠実な取引協議の求め>

今回の法改正では、
建設業界のDX推進も進められています。
電子契約
クラウド管理
オンライン申請
ICT施工
リモート現場管理
などへの対応が進むながれのなか、
今後は行政手続も含めオンライン化がさらに進む
ことでしょう。
もちろん、
すぐにすべてが変わる必要性はありませんが、
少なくとも、
紙だけ、電話だけといった運用とならない
ために
少しずつでもデジタル化に向けて
情報のキャッチアップから
始めてはいかがでしょうか。
<国土交通省:ICT活用による監理技術者等の選任義務合理化>

<国土交通省:ICT活用による現場管理効率化>


【改正建設業法への対応は早めの準備が大切】
2026年の改正建設業法は、
安く、長く働かせる現場からの転換
を促す大きな制度変更であり、
今後は適正な建設業の運営が
これまで以上に重視される時代に入ります。
建設事業者にとっては、
法改正へのいち早い対応が
会社の信頼に直結しますので、
日常実務そのものを見直すきっかけ
となるでしょう。
後回しにすることで
実務上の負担が大きくなることもあります
ので、
今のうちから準備を進め、
安心して事業を継続できる体制を整えていく
ことが大切です。
WINDS行政書士事務所では、
建設業許可申請や各種届出
経営事項審査対応
契約書リーガルチェック
建設業法対応コンサルティング
などをはじめとした、
建設業法対応サポートを承っております。
法改正でなにから始めたらいいかわからない
自社契約内容に問題ないか不安
建設業許可の維持管理も含めて相談したい
といったご要望にも応じますので、
まずはこちらまでご相談ください。
