コラム

【アメリカ永住権失いたくない方のための】SB-1VISA

2026.05.20[US VISA]




【長期出国したアメリカ永住者のための救済制度】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
私たち日本人でもグリーンカードを取得し、
アメリカに永住する方がいらっしゃいますが、
そんな方々が、
その後日本へ一時帰国した後
特別な事情で
長期間
アメリカへ戻れなくなってしまった

というケースは少なくありません。
また、
グリーンカードがあるから大丈夫と思って
空港に向かった結果、
入国審査で長時間別室対応

となるケースもあります。

しかしアメリカ永住権は
取得したら永久に保証される権利ではなく
一定期間以上アメリカ国外へ滞在すると
永住権を放棄したとみなされる

おそれがあります。
もし該当する場合、次回の渡米の際に、
無事にアメリカ永住権保持者として入国できるか、
心配になりますね。

そんなときの手続き選択肢として
ご検討いただけるのが、今回ご紹介する。

SB-1 
(Returning Resident Visa/再入国移民)

VISAです。

このVISAの制度概要や申請要件、
申請上の注意点や実際の相談事例まで、
アメリカVISAをサポートする行政書士目線で
幅広く解説します。




【SB-1 VISAとは】

SB-1 VISAとは、
グリーンカードを保有するアメリカ永住権者が、
やむを得ない特別な事情によって
長期間アメリカ国外に滞在し、
再入国許可証(Re-entry Permit)の
有効期限がオーバー
して
通常の永住者として再入国できなくなった
場合に利用できる
Returning Resident(再入国移民)VISA
です。

このVISAは、
アメリカ移民国籍法(Immigration and Nationality Act)
そして
アメリカ国務省マニュアル(Foreign Affairs Manual)
に基づいて運用されています。

通常の運用ルールでは、
アメリカ永住権者は通常、
1年以上アメリカ国外に滞在すると
永住権を放棄したとみなされ
グリーンカードが失効する

おそれがあります。



しかし、
永住者の意志だけでは
コントロールできない理由によって
アメリカに帰国できなかった場合

に、このVISAによる救済措置を活用できます。

SB-VISAを申請においては、
以下の条件を満たす必要があります。

①アメリカ出国時に正式な永住権保持者であった
有効なグリーンカードを保有していたことが前提となります。
またはRe-entry Permit)

②アメリカへ戻る意思を継続して持っている
単なる海外移住ではなく、
「本来は米国へ戻る予定だった」
アメリカでの生活を継続する意思があった
ことを示す必要があります。

③長期滞在が本人の意思では避けられなかった
ここが最重要ポイントです。
本人ではコントロールできない事情、
例えば次のような事情が必要になります。



上記でご紹介した以外の、
単なる自己都合や長期旅行では
申請が認められにくい傾向が高い

です。

これらを踏まえて、
結果的にグリーンカードが失効状態
になってしまったが
もう1度アメリカに居住する意図がある

ことを示せるかどうかが大切です。




【なぜ問題になる?永住権と長期出国ルール】

アメリカ移民法上、永住権保持者には
アメリカへ居住する意思
が求められます。
つまり、
グリーンカードは単なる長期VISAではない、
アメリカを生活の本拠地とする者
=永住者のためのルール

であることが前提となります。

そのため、永住者に、

日本に生活基盤が完全に移っている
長期間アメリカに戻ってこない
アメリカで納税義務を果たしていない
アメリカでの住所をキープしていない


などが認められる場合は、
永住権を維持する意思がない
と判断されるおそれがあり、
空港の入国審査で問題となるおそれがある
ことに、注意が必要です。







【重要!事情を証明する書類】

SB-1 VISA
グリーンカードを持つ者全員が
無条件に認められるものではありません。

申請の際には、
なぜ早期にアメリカに帰国できなかったのか
を客観的資料をもって証明することが重要です。
これらを含め、
申請に必要な書類としては、以下が挙げられ、
帰国意思が継続していること
長期間帰国できなかった不可抗力性

の両方を立証することが
制度上重要視されます。

事情を証明するための書類としては
以下が代表的なものとなります。






【SB-1VISAの手続き】

SB-1VISAの手続きは、
以下のながれで進めます。

①SB-1適格性の確認
VISA審査では、
申請者がVISAの取得要件にフィットしているか
=資格該当性
を入念にチェックされます。
SB-1VISAでは、
本当に永住権を放棄していない
ことを証明できるかどうかを
申請前にチェックすることをおすすめします。



②申請書作成
①で取得要件を十分に確認できたところで
SB-1VISAの申請をおこないます。
申請は、
DS-117(Application to Determine Returning Resident Status)
というフォームを作成します。

<Form DS-117>


③必要書類の準備
②の後or同時並行で
当局が公表する必要書類を準備します。
必要書類のなかには、先ほど解説した、
申請者がアメリカ帰国において
コントロールできなかった事情の説明書類
も含みます。

④大使館・領事館のインタビュー予約
在日アメリカ大使館or領事館に
インタビューのオンライン予約
をおこないます。
予約の際には
DS-117フォームと必要書類を提出します。
予約が確定したら、
大使館or領事館から面接日時が
案内されます。

⑤審査手数料の支払い
審査手数料を大使館or領事館に支払います。
※手数料の支払いにおいて
 クレジットカード決済(USD建て)
 が可能です。

※クレジットカード決済が利用NG
 となる場合がありますので
 その際は大使館or領事館で現金払い
 となります。


許可手数料と誤解されることが多いですが、
ここで支払うのはあくまで審査手数料
であるため、
この手数料を支払ったからといって
許可が保証されるわけではありません。

また、手数料を支払う時期は、
④で案内された面接当日であることに
注意しましょう。

⑥インタビュー対応
SB-1VISAの取得において最重要対応となります。
申請者は事前案内にしたがって、
大使館or領事館のインタビューを受けます。

来館の際は、
②③でまとめた必要書類一式
そして
⑤の審査手数料を事前に支払った場合は
領収証書
を紙で持参、提出
します。
※申請書類のなかで原本を返却希望の場合は
 原本とコピー両方を持参します。


インタビューでは、
SB-1VISAの適格性
これからもアメリカに永住する意思
アメリカに長期間戻れなかった不可抗力性

に関して確認がとられるため、ます。
VISA申請の目的や取得資格に関して
正直に明確に回答する必要がありますので
必要書類の内容を整理しておくことが重要です。

⇒面接対策サポート承ります。
 
こちらからご相談ください。


⑦VISA認定審査
大使館or領事館で
SB-1VISAの審査がおこなわれます。
審査期間は通常3か月以内
が目安となります。
※面接枠が混雑、書類の追加提出要請
 などがある場合は
 これよりも長くなります。


⑧VISA発給手続き
⑦の結果、VISAが承認が決定されれば、
移民VISAの発給手続きをおこないます。

発給手続きには
DS-260(Immigrant Visa Electronic Application)
を入力、
必要書類とともにオンライン送信します。
その後、
メディカルチェック
大使館or領事館の最終インタビュー
を受けた後1週間~6か月程度
VISAが発給されます。
承認されると、
SB-1VISAがページに貼付された形で
パスポートが申請者に返送
されます。

VISAが承認されても、油断は禁物です。
承認後に
健康診断NG
接種ワクチン不足
犯罪歴や前科
書類不足
書類不備(DS-260と申告内容矛盾など)
などがあると
発給手続きの遅れや移民VISA発給ストップ

となってしまうため、
くれぐれも注意しましょう。

⑨アメリカ入国
発給された移民VISAをもって
アメリカに再入国します。
この時点で
申請者の永住権ステータスが復活します。




【当事務所のSB-1VISA相談事例】

①親の介護
20代からアメリカ永住権を保持する
50代女性の方のケースです。
日本に一時帰国しましたが、
アメリカへの出国直前になり
お母さまが倒れ、付き添いを余儀なくされました。
その後も介護が長期化になった結果、
結果的に3年以上アメリカへ戻れませんでした。

実際のSB-1VISA申請においては

お母さまかかりつけの
医療機関資料や介護記録
維持していたアメリカの銀行口座や
アメリカへの納税履歴


などを整理のうえ、
無事にSB-1の承認が下りました。

②コロナ禍で渡航制限
コロナ禍では
複数国間で移動が大きく制限された時期があった
ことは、皆さまの記憶に新しいかと思います。
この時期も渡航制限によって

フライト停止
入国規制
高齢者リスク


などを考慮しなければならない
ご相談ケースが多くありました。

③そのほかの不許可要素
SB-1VISAは例外的な救済ルールとして
運用されているルールであることから、
申請者全員が無条件に認められるものではありません。
特に、

日本に完全移住している
アメリカ納税は停止中
アメリカ住所を解約してしまった
永住権維持を証明できる資料が少ない
長期間アメリカを離れなにも対応しなかった

といったご相談は
不許可要素が強く慎重な検討が必要

と考えられます。

VISAの申請においては、
単なる翻訳や書類提出だけではなく、
審査傾向を把握して

時系列で状況整理
事情説明を組み立て
立証資料のセレクト
面接対策


をおこなうことが重要です。




【制度運用に沿って計画的な手続きを】

SB-1VISAは、
やむを得ず長期間アメリカへ戻れなかった
永住者向けの救済ルールです。
単に長く日本にいた
という説明だけでは認められず、
永住意思とアメリカ生活基盤、
そして不可抗力の事情
を客観的に丁寧に立証する必要があり、
当局の承認難易度は高いものです。
特に長期滞在理由の説明次第で
審査結果が左右される傾向が高いですので、
お早めにご相談いただくのがベターです。

WINDS行政書士事務所では、
SB-1 VISAへの申請ご検討の皆さま
のサポートとして、

個別ケースごとの不許可リスク分析
事情説明の時系列整理
事情説明書の作成サポート
必要書類のセレクト・精査
英文書類作成代理
想定面接シミュレーション


などを承っております。

長期出国により永住権のキープに不安
グリーンカードを持ったまま1年以上日本滞在
アメリカ永住権が失効していないか不安


このようなケースに該当する方は
早い段階で対応できるよう、
まずはこちらまでご相談ください

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