コラム

【B VISAが導入対象!】アメリカVISAの「ボンド制度」

2026.01.21[US VISA]





【アメリカへのショートステイが厳しくなる?!】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
アメリカVISAのなかで、
ショートステイを対象とした
B-1/2VISA
観光や短期間のビジネス滞在を目的に
多く申請されています。
※アメリカでも
 年間約900万件のB VISAの申請が
 統計結果として報道されています。
 ⇒
atlys

このVISAの手続きは
すべてのアメリカVISAのなかでも
比較的シンプルで簡単で有名ですが、
昨年夏から、
一定要件に該当する申請者に対して

滞在維持&出国保証ボンド(VISA BOND)

の運用が導入されている
ことはご存じでしょうか。

この制度によって
申請者本人だけでなく、関連者や企業なども
思いもよらなかった点についての対応
を迫られることが少なくなく、
当事務所で関連のご相談をいただきます。

本コラムでは、
このボンドルールの詳細や
関係者に及ぼされる影響と可能性、
そしてビジネス実務面で対策すべき点
について、解説します。




【VISAボンド制度とは?】

アメリカ国務省は2025年8月5日、

VISA BOND PILOT PROGRAM
(滞在維持&出国保証制度)


を発表しました。

ルールとしては、

在留期間超過(オーバーステイ)の
頻発傾向が高い国籍在留者に対して
VISAを発給する条件として
高額の担保金(=BOND)を納付させる


ものです。

この制度は、アメリカの、

在留目的や審査体制アップ
出入国管理の強化


をねらいとしています。

アメリカへの不法入国・滞在ケースの多くは、
密入国ではなく
合法的に入国後のオーバーステイ
をきっかけとしており、
摘発者のほとんどがショートステイ
でした。
政府としても、
オーバーステイ者の摘発はもちろん、
拘束や強制送還には
数千~数万USD/人といった莫大な公費
がかかっており
(=税金負担に直結)

マンパワーや収容施設なども限界
に近づいています。

こうした背景から、

まずはショートステイ者をターゲットに
在留期限が到来する前に必ず出国させる
そのための動機付けとして
高額の保証金を用意させ
違反すれば外国人本人負担で保証人を自動喪失


とすることで、

経済的に出国確実性を担保するスキーム
を試すことで
違反を事後で取り締まるのではなく
事前に出国せざるを得ない状況を作って
行動を実施的に制限


し、ひいてはアメリカの、

出入国管理、離境管理の強化
国家安全保障の向上


につながることを目指しています。

ちなみにこの制度は
移民法改正などの大規模なアクション
は経て導入されていません。

理由としては諸説ありますが、
法改正に踏み切ることで
議会対立や訴訟リスクが高く見込まれ
あえて試験導入とすることで

不法移民を防止できるか効果検証できる
といったメリットをとった
と考えられます。






【VISAボンド制度の対象要件】

気になるボンド制度の適用対象要件は、
アメリカ国務省から
以下のとおり発表されています。

<運用期間>

現時点では、恒久的な運用ではなく、

2025年8月20日~2026年8月5日

のおよそ1年間の

パイロット運用(試験導入)

となっています。

運用期間中から導入効果の検証がおこなわれ
今後も運用継続するかを含め
将来的に拡充や見直しが検討される予定
です。

<対象VISA>
短期滞在を目的とする

 B-1(短期出張・商用・留学)
 B-2(短期観光)


VISAが対象となります。

<対象者>

B VISAを申請する外国人で

アメリカ政府が指定する国籍者


が対象者となります。

気になる対象国籍は、
オーバーステイ率が高いと評価されており
2026年1月21日現在では
以下の38か国となっています。



これら対象国
現在も見直しのうえ随時追加がなされており、
今後も増減の可能性があります。

ちなみに、
日本をはじめとする
VISA免除プログラム(VWP)の国
ボンド制度適用対象外です。


<保証料>
B VISAの申請者に対しておこなわれる
大使館面接によって
滞在目的や収入、申請経緯などが審査される結果、
面接官が、

 5,000USD
 10,000USD
 15,000USD


のいずれかを個別に決定
します。

これは手数料ではなく保証料ですので、
VISAを取得してアメリカに入国後
滞在期間を合法的に守って出国すれば
全額返金

されますが、
在留条件に違反し不法残留などをおこなうと
全額没収

されます。




【VISA申請とボンドの支払い】

<VISA申請>
B VISAの希望者は、VISA申請をおこないます。
B VISAは非移民VISA(NONIMMIGRANT VISA)
に該当し、
このカテゴリーVISAを申請した際
ほとんどは、
国籍国or便宜上近隣国や第三国外
のアメリカ領事館で
申請が受理されます。
※国籍国で長く待機を余儀なくされた場合や
 処理能力に問題がある場合は、
 慣例的に他国の大使館・領事館での申請
 が認められます。

※アメリカVISA類型については、
 
こちらのコラムで説明しています。

これに対して、
ボンドルール対象のVISA申請では、
原則国籍or居住国での申請が義務
が推奨され、
それら以外の国で申請する場合は
居住証明をしなければならない

などの制限が設けられます。
※外交・公用関係や
 特定の緊急・人道上の理由
 などは例外ルールが限定設定されています。

※ボンドを支払いVISA許可を受けた申請者が
 出入国できるアメリカの空港は
 BOSTON
 JFK(NEW YORD)
 DULLES(WASHINGTON D.C.)

 の3空港のみに指定されています。


ちなみにネットでは、

国籍or居住国以外で申請する場合は
 面接待ち時間が長期化する
 保証料が返却されない
 審査上不利となる


などのうわさがあふれていますが、
現時点でオフィシャルルールにはなく、
実際こうした不利益を受けた
との事例は挙がっていません。


領事館で申請が受理されると、
VISA面接官のインタビューを経て、
VISA審査がおこなわれます。
審査の結果、VISAが許可される際には、
審査官が申請やインタビューの内容の
総合的判断の結果、
個別に保証料の金額を確定のうえ
申請者に支払いを指示

します。
※必ずしも保証料を支払う前に
 VISAが発給されるわけではありません。


保証料支払いの続きは
オンライン決済(Pay.gov
でおこないます。

B VISAが許可されると、
通常6か月程度のVISA期間が設定されるところ、

BOND制度対象要件に該当する申請者
の場合は
単一入国
(Single Entry)
VISA発給後MAX3か月以内に入国が必要
入国後認められる在留期間は30日以内


などの当局指示が確認されています。




【VISAボンド要件に引っかかったら?対策ポイント】

アメリカB VISAのボンド制度において
日本は対象外であるものの、
日本で雇用する外国人スタッフが
このボンド要件に該当し、

 短期間の、
 観光、商談、テクニカルサポート、
 現地会議参加


のため、日本から渡米する際には、
外国人本人だけでなく、雇用事業者や関係者も
これまでにない手続きやコストの負担
がのしかかります。

行政書士として、
外国人本人や関係者が
ボンドルールに備えておくべきポイントを
5つ、ピックアップします。

①渡航スケジュール管理
このVISAボンド制度において
発給されるB VISAにおいては、
オーバーステイが最大警戒
されていることから
単一入国や発給後3か月以内の入国と
ハードな制限が確認され、
在留期間も3か月にも満たないなどの
制限が見込まれています。

要件に該当する申請外国人の関係者
としては、
渡航後のビジネス、観光などの
滞在スケジュールを
従来よりコンパクトにする

などの対応が必要となるでしょう。

1か月をオーバーしたり
複数回の入国リピートなどの
スケジューリングは見直し、
関連するフライトやホテルの調整、
在留中のフォローアップ体制整備など
を事前に検討

すべきと考えます。

②他国籍者のアサイン要否
事業者が雇用する外国人が
ボンド要件に該当or現地パートナーを通して
アメリカ渡航をさせる場合、
多額のボンド納付を義務付けられ、
雇用事業者にとって
ボンドを含めた出張コストは大きな負担
となるでしょう。

オンライン決済においても
当局での入金確認には一定時間がかかる
ことも想定され、
VISA許可を含めた渡航準備期間が長引く
懸念も否めません。

関係事業者の皆さまは、
現地のクライアントやスタッフの国籍に応じて
リスク評価を事前におこなう

ことで、
必要経費やスケジュールの見直し
がはかどるでしょう。

③渡航審査の厳格化
VISAボンド制度は、
アメリカへの不法滞在防止が最大目的
となって導入されており、
当局の渡航審査プロセス全体が
実務的に厳格になる

と考えられます。

適用要件対象の外国人に対する
審査プロセスとしては、
在留スケジュールや目的をより厳密にチェック
する傾向が強くなっており、
実際の面接結果やVISA発給までの
審査リードタイム長期化や
審査結果の予測可能性もグレー

となっています。
加えて、
対象国以外の申請者でも、
同行スタッフや取引先担当者が
ボンド対象国籍者の場合、
審査上の追加書類を求められることがあります。


臨機応変な商談や現地サポート
にすぐ対応できないと
事業者が展開するビジネスへダメージに直結

しかねません。

関係事業者としては、
関連スタッフや部署へ十分に制度説明のうえ
前広に渡航スケジュールを策定し、
余裕をもってVISA申請に臨む
ことが大切です。
また、万が一に備えて、
サブ担当者による代替出張計画も
並行して策定しておく
既存の出張命令書や雇用契約書上の
VISA関連費用の負担範囲や滞在遵守義務条項
を盛り込む

などのリスクヘッジも有効でしょう。

④ボンドの返還と没収
ボンドを支払い、
無事にアメリカに入国を果たした後、
適用する外国人が
合法的に在留活動をおこなっていれば
保証金は返還されますが、
そうでない場合は
保証金が全額没収される
などの大きなリスクがあります。

ボンドの支払いや返還・没収の管理手続きは、
FORM I-352 を通しておこなわれ
出入国記録と支払決済システムが照合されます。

<FORM I-352>



関係者の皆さまは、
渡航者がこのボンド対象者になる場合は、

VISA発給後の在留状況を適切にモニタリング
出入国手配や滞在記録チェック
日本帰国後のフォロー体制整備


などの主体的な対応が大切でしょう。
事業者にとっても大きなダメージ
となるボンドの没収は、
事前のリスク管理で未然に防止
したいところです。

⑤グローバルマンパワー戦略のアップデート
ボンド制度、
そしてグリーンカードも応募受付遅延など
アメリカ VISA制度の不確実性が高まっているなか、
事業者としても
有能な人材の海外派遣や出張計画、
ひいては事業規模に応じた
ビジネス戦略の再構築も迫られる場面が
起こると思われます。

これまで
アメリカへの渡米が前提のプロジェクトや研修
であっても、
なにがなんでもVISAをとる
というアプローチだけではなく、
可能であれば、

必要性や緊急性、重要性を十分に精査し、
プロジェクトや商談、研修などを
他国拠点へ変更したりやオンライン実施にスイッチ

したり、
改めてESTAを活用
することも同時に検討してみたいところです。

たとえば、
高度人材の入国が比較的安定傾向にある国
(シンガポールやカナダ、オーストラリアなど)を
リレーポイントとして活用

すれば、
クロスボーダー的な勤務体系がとれて
オペレーション体制のさらなる整備につながり、
アメリカ渡航リスク軽減にもつながるでしょう。

国外でのビジネス展開においては
移民やVISAルール、ESTAなどの簡易手続き運用は
リアルタイムで最新情報を把握し、
要件や手続きの変更点有無を常時追跡し
柔軟に対応していく

必要があります。
しなやかな体制整備が、
グローバルなマンパワーの流動性と
国際競争力をキープする最大のカギととらえましょう。





【最新ルールをチェックしてスムーズな渡米を】

トランプ政権となり、
現在のアメリカVISAルールは
さまざまな変更点が相次ぎ、
今回ご紹介したボンド制度も
今年末のトライアル期間が終わった後
その運用の行方が注目されています。

こうした渡航環境が変化するなか、
目的に応じて渡航者がスムーズに
VISA申請と在留をし、
ビジネスや滞在を成功させるためにも、
アメリカVISAの最新ルールと
手続き上の注意点を把握しておきましょう。

WINDS行政書士事務所では、
アメリカVISAのルールにおけるコンサルティングや
VISA申請など、幅広くサポートを展開しております。
VISA申請において懸念をお感じになる場合は、
どうぞお気軽にご相談ください。




 

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